シリーズ累計640万部を突破した、三上延による同名ベストセラーの映画化となる『ビブリア古書堂の事件手帖』が11月1日に公開となる。このほど、東出昌大と夏帆の出演が決定し、併せて特報映像がお披露目となった。
本作は、鎌倉の片隅にある「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子(しおりこ)が、古書にまつわる数々の謎と秘密を解き明かしていくミステリー。極度の人見知りだが、驚くべき本の知識と優れた洞察力で古書にまつわる謎を解き明かすビブリア古書堂店主・篠川栞子を演じるのは黒木華。そして、ひょんなことからビブリア古書堂で働き始め、栞子に密かに思いを寄せる、不器用ながらも誠実な青年・五浦大輔を、野村周平が演じる。監督は、『しあわせのパン』や『繕い裁つ人』などのヒット作を手掛け、『幼な子われらに生まれ』が第41回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞ほか数々の映画賞を受賞した三島有紀子が務める。
追加キャストとして、大輔(野村周平)の亡くなった祖母・五浦絹子の若き日を演じるのは、『海街 diary』で日本アカデミー賞助演女優賞を受賞し、『友罪』(5月25日公開)などに出演する夏帆。そして、絹子に惹かれる小説家志望の田中嘉雄を、『OVER DRIVE』(6月1日公開)や第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作『寝ても覚めても』(9月1日公開)などが控える東出昌大が演じる。
二人の共演は、『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(2017)に続き今回が2回目。お互いの印象を、東出は「夏帆さんは、強い芯を持った、真っ直ぐとした女優さん。彼女と素直に恋が出来たのは、本当に夏帆さんの力であり魅力だと思う」と話し、夏帆も「すごくストイックで真面目な方で、自然と(東出演じる)嘉雄さんと接することができた」とコメント。また、現代パートの黒木と野村に関して、二人は一緒のシーンはなかったが、原作を読んでいたという東出は「(現代パートは)魅力的な俳優さんがたくさん出ているので、原作から飛び出してきたような、原作の魅力そのままの映画になっている」、夏帆はクランクアップ直後に「もう少し撮影をしていたかったというのが今の正直な感想。現在と過去がつながった時に、一体どういう映画になるのか凄く楽しみです」と撮影が終わった心境と作品への期待感を語っている。
キャスト コメント
■東出昌大(田中嘉雄役)
クランクイン前、初めて三島監督とお会いした際に、考えながら絞り出す様にしか喋れない僕の言葉を、真っ直ぐに目を見据ながら聞いて下さるそのお姿に、信頼を寄せ覚悟を決めたことを覚えています。恋人役の夏帆さんや、素晴らしい共演者の方々と充実した日々の中、過去パートを撮影させて頂きました。撮影には立ち会えなかった現代パートですが、黒木さんや野村さんのお芝居が銀幕で観れる日が楽しみです。原作ファンの方も、ご存知ない方も、是非、ビブリアの映画を楽しみになさって下さい。
■夏帆(五浦絹子役)
三島組に参加して三島さんの作品とは不思議な縁があると感じました。作品にかける想いの強さと、いつもは凛とした監督がたまに見せる少女の顔が印象的で。三島さんの強さのなかに垣間見える繊細な感性がこの作品の世界観にぴったりだなと思いました。東出さんは、以前ご一緒した作品との役の振り幅に驚き、その立ち姿から文学の香りのする方だな、と。この作品は本に纏わるひとたちのお話です。わたし自身もあらためて古書の魅力を教えてもらった気がします。ぜひ公開を楽しみにしていてください。
『ビブリア古書堂の事件手帖』
11月1日(木)全国ロードショー
監督:三島有紀子
原作:三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
脚本:渡部亮平 松井香奈
出演:黒木華 野村周平 東出昌大 夏帆
配給:20世紀フォックス映画、KADOKAWA
【ストーリー】 鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。過去の出来事から本が読めなくなった五浦大輔(野村周平)がその店に現れたのには、理由があった。亡き祖母の遺品の中から出てきた、夏目漱石の「それから」に記された著者のサインの真偽を確かめるためだ。磁器のように滑らかな肌と涼やかな瞳が美しい若き店主の篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りだったが、ひとたび本を手にすると、その可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす。さらに彼女は、優れた洞察力と驚くべき推理力を秘めていた。栞子はたちどころにサインの謎を解き明かし、この本には祖母が死ぬまで守った秘密が隠されていると指摘する。それが縁となって古書堂で働き始めた大輔に、栞子は太宰治の「晩年」の希少本をめぐって、謎の人物から脅迫されていると打ち明ける。力を合わせてその正体を探り始めた二人は、やがて知るのであった。漱石と太宰の二冊の本に隠された秘密が、大輔の人生を変える一つの真実につながっていることを―。
© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会