『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』に続く、佐藤泰志の小説の映画化4作目『きみの鳥はうたえる』が、函館の映画館シネマアイリスの開館20周年を記念して、柄本佑、石橋静河、染谷将太共演で映画化され、9月1日より公開されることが決定した。
本作は、『海炭市叙景』(2010)、『そこのみにて光輝く』(2014)、『オーバー・フェンス』(2016)に続く、佐藤泰志の小説の映画化4作目。監督を務めたのは、『Playback』(2012)、『THE COCKPIT』(2015)など意欲的な作品を制作してきた新鋭・三宅唱。原作の骨格はそのままに、舞台を東京から函館へ移し、現代の物語として大胆に翻案した。語り手である「僕」を演じるのは、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018)の柄本佑。友人・静雄役は、若手随一の実力派俳優、『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』の染谷将太。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017)で数多くの賞を獲得した石橋静河が、ふたりの男たちの間を行き来する佐知子役を透明感あふれる演技で魅せる。
■柄本佑 コメント
三宅唱監督にこの映画の話をいただいたのが2015年の11月。撮影をしたのが2017年の6月。出来上がったのが今年の2月です。本当に出来上がるのかな、と思うくらいの時間をかけて出来上がりました。「キミトリ」の「僕」という役が決まってから監督と過ごした濃密な時間が映っています……。やーしかし公開するのは本当に嬉しいことですが、僕の中の「僕」が終わってしまうようで少し寂しくもありますな。よろしくお願いします。
■石橋静河 コメント
自分の大好きな作品が公開されることになり、本当に嬉しく思います。函館での撮影はとても濃厚で、贅沢な時間でした。三宅監督が大きな器になり、その中で自由に泳がせてもらったような感覚です。柄本さんと染谷さんが“僕”と“静雄”として強く存在されていたお陰で私は佐知子としてそこに生きる事が出来ました。登場人物が皆、函館の柔らかい光の中で輝いています。ぜひ劇場でご覧ください。
■染谷将太 コメント
今でもあの函館のニオイを思い出します。潮と夕日が混じったようなニオイと、酒のニオイと、朝方のニオイ。静雄が嗅いだであろうニオイを嗅ぎながら毎日現場に通っていました。三宅さんが作る現場は台本の空気そのものでした、佑さんと石橋さんとプラプラしながら、酒を交わし、カメラが回っていました。僕と佐知子と静雄が、日々の時間を忘れるような時間が流れたり、ヒリヒリとした時間が流れたり、何かから逃れようとする時間が流れたり、我々が肌で感じた心地の良いある種のエモい青春を、三宅監督は1番いい形で映画にして閉じ込めてくれました。皆様本当にスクリーンで味わって欲しいです。日々に一息つくつもりで、ヒヤヒヤして帰って欲しいです。よろしくお願いいたします。
■三宅唱監督 コメント
佐藤泰志が小説で描いた「生の輝き」を映画で表現しようというのがこの映画の挑戦でした。素晴らしい環境を用意してくださった函館の皆さん、心から尊敬する役者・スタッフらとともに、いま振り返ると自分がちょっと恥ずかしくなってしまうくらい、とにかく無我夢中でつくることができました。映画館の暗闇で、美しい夏の光や音を感じながら、この映画のなかで生きるかれらとともに、かけがけのない時間を過ごしてほしいと思っています。そして、誰かにとって、この映画がまるで親しい友人のような存在になることができればと願っています。
『きみの鳥はうたえる』
9月1日(土)より新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペースほかにて全国公開
8月25日(土)より函館シネマアイリスにて先行公開
監督・脚本:三宅唱
原作:佐藤泰志(『きみの鳥はうたえる』)
音楽:Hi’Spec
出演:柄本佑 石橋静河 染谷将太 足立智充 山本亜依 柴田貴哉 水間ロン OMSB Hi’Spec 渡辺真起子 萩原聖人
配給:コピアポア・フィルム 函館シネマアイリス
【ストーリー】 函館郊外の書店で働く「僕」と一緒に暮らす失業中の静雄、「僕」と同じ書店で働く佐知子が加わり、3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑いあう。だが微妙なバランスのなかで成り立つ彼らの幸福な日々は、いつも終わりの予感と共にあった。
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