朝倉あき × 三浦貴大 モスクワ国際映画祭W受賞作『四月の永い夢』本編冒頭映像

2017年に開催されたモスクワ国際映画祭において、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰のダブル受賞の快挙を果たした映画『四月の永い夢』が5月12日より公開となるのに先立ち、本編冒頭映像がお披露目となった。

恋人を失った女性のひと夏を描いた本作。初海を演じるのは、『かぐや姫の物語』で声優を務め、大河ドラマ「おんな城主直虎」に出演した朝倉あき。初海に恋する朴訥で誠実な青年・志熊を三浦貴大が演じる。

本編冒頭映像は、満開の桜と菜の花を背に、喪服姿の主人公・初海(朝倉あき)が佇む映像とともに彼女のモノローグから始まり、中川龍太郎監督がその声に魅了されキャスティングを熱望した朝倉が主人公の喪失感を物語る。中川監督自ら執筆する脚本におけるセリフは本作の魅力のひとつ。さり気なく発せられる端正な言葉と、そこに込められた心情のリアリティは、17歳で「詩集 雪に至る都」を出版した詩人、エッセイストにして、独学の映画作りで才能を発揮してきた経歴を持つ中川監督ならではと注目を集めている。

本作冒頭映像を振り返り、中川監督は「春の霞が立ち込める中、桜と菜の花に囲まれた世界にぽつりひとり、喪服を着た女性が立ってこちらを見ている。そのイメージが浮かび上がったときに今回の映画を撮ることが自分の中で決まりました。撮影したのは2年前の春真っ盛り。撮影した午前中だけ見事に光が差しました。あの日に吹いた風を、是非劇場の暗闇の中で多くの方と共有できたらこんなに幸せなことはありません」と改めてその思いを語る。

前作『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(太賀主演)で、親友の自死をどのように受け止めていくかについて実体験をもとに描いた中川監督。本作では、恋人を亡くした一人の女性が喪失感から解放されていく姿を優しく繊細に描き、その世界観に引き込まれる印象的な冒頭映像となっている。

『四月の永い夢』
5月12日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:中川龍太郎
出演:朝倉あき 三浦貴大 川崎ゆり子 高橋由美子 青柳文子 森次晃嗣 志賀廣太郎 高橋惠子
配給:ギャガ・プラス

【ストーリー】 3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる。

©WIT STUDIO / Tokyo New Cinema