山田洋次監督『男はつらいよ』シリーズ終了から20年ぶりとなる喜劇映画『家族はつらいよ』シリーズの最新作『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』が5月25日より全国ロードショーとなる。それに先だち、5月1日に労働者の権利を呼びかける日・メーデーにちなみ、スペースFS汐留ホールにて女性限定のキャスト登壇トークイベントが行われ、吉行和子、夏川結衣、中嶋朋子、蒼井優、ゲストとして東京大学・柳川範之教授が登場した。
山田洋次監督の撮影は「ずっと大変」と語る史枝役の夏川は、「アイロンをかけながら、何のセリフを言った時にどっちを向いてて、何の時に服を上げて、何のタイミングでセリフを言って」と、すべてに細かい指示が出されるという。「その間にも、監督から『セリフをこれに変えて。このセリフ言ってみて』と言われると、すべてのプランがガラガラガラと崩れて…」と、厳しい撮影シーンの様子を告白。それを現場で見ていたという富子役の吉行は「見てる方がハラハラしたわよ(笑)」と笑いつつ、「山田監督とは『東京家族』から4回目なんですけど、相当勝手な女だと思ったらしいんですよ。だから、だんだん勝手な富子さんになってしまって(笑)」と自身の役柄の変化について語った。
成子役を演じた中嶋は、西村まさ彦演じる幸之助との関係について、「どこかで強くお兄ちゃんの事を思っている分、一言、二言、三言多い」とすぐ兄妹喧嘩になる原因について告白。憲子役の蒼井は、プライベートの家事について聞かれると「普段は一人暮らしなので、自分のことをやりたいままにすればいい。史枝さんを見ていると、家族分の家事をやるじゃないですか? 本当にすごい」と尊敬を込めて語った。
また、この日はメーデーということで、会場に集まった主婦たちがパートナーの不平不満を書いたボードを掲げる場面も。中嶋は「『お前らもやれ!』って(笑)」、蒼井も「『なんでもやってくれると思うな!』(笑)」とボードに書かれた主婦の怒りに大笑い。さらに、東京大学・柳川教授が登場し、「家事労働は年収に換算すると720万円」といったことが語られ、キャストたちは驚いた表情で興味深い話に耳を傾けていた。
『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』
5月25日(金)全国公開
監督・脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
音楽:久石譲
出演:橋爪功 吉行和子 西村まさ彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優
配給:松竹
【ストーリー】 史枝(夏川結衣)は、育ち盛りの息子ふたりと夫・幸之助(西村まさ彦)、その両親3世代で暮らす主婦。ある日、家事の合間にうとうとしていた昼下がり、泥棒に入られ、冷蔵庫に隠しておいたへそくりを盗まれてしまう。夫から「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と嫌味を言われ、余りに気遣いの無い言葉にそれまでたまっていた不満が爆発した史枝は、家を飛び出す。一家の主婦が不在となった平田家は大混乱。身体の具合の悪い富子(幸之助の母/吉行和子)に代わり周造(幸之助の父/橋爪功)が掃除、洗濯、食事の準備と慣れない家事に挑戦するがそんなこと続くわけがない。家族揃って史枝の存在のありがたみをつくづく実感するのだが、史枝が戻ってくる気配は一向にない。家族会議が緊急召集されるが、平田家は崩壊してしまうのか!?
©2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会