ハリウッド進出も決定!カンヌ最高賞『ザ・スクエア 思いやりの聖域』主演 クレス・バング インタビュー映像

第70回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が4月28日より公開となる。それに先立ち、本作で主演を務めたクレス・バングのインタビュー映像が公開された。

本作は、現代アート美術館のキュレーターが、盗まれた財布とスマートフォンを見つけるために“ある行動”を取ったことで予想外の事態に巻き込まれていく様を描く。監督は、『フレンチアルプスで起きたこと』で世界を沸かせた北欧の若き鬼才、リューベン・オストルンド。主演を務めるのは、本作をきっかけに50歳で大ブレイクした、デンマーク出身のクレス・バング。ハリウッド進出も決定し、ヒット作『ドラゴン・タトゥーの女』の続編ではメインキャストにも抜擢された。

自身が演じたクリスティアンというキャラクターについて、「私にとってクリスティアンは、自分の世界に浸る理想主義の男だと思う。なぜなら、自分の立派な考えに行動が伴っていないからだ。彼の私生活は、美術館で顧客に向けてスピーチした立派な行為とはかなりかけ離れている」と鋭く分析したバング。オストルンド監督と仕事をするのは本作が初めてだったが、「役者が自由に演じられるように監督は任せてくれたけど、何か明確なイメージをはっきりと求めていることが理解できた」と、そのスタンスを称賛した。さらに、「監督が思いつかないことを私が考え出してそれを伝えると、喜んで取り入れてくれたりもした。撮影中も、監督が新しい案を気に入ると意見を取り入れて脚本を書き直していたよ」と、出演者と監督が意見を交換し合う活気ある撮影現場の裏側にも言及している。

先日、来日を果たしたオストルンド監督は、バングについて「彼は考えていることが顔に出ちゃうんだよ。そこがすごく良いと思って、彼をキャスティングしたんだ」と明かしていた。一方で、オストルンド監督は膨大なテイク数を重ねることでも知られる。それについて問われたバングも「彼の撮影は、平均すると1日60テイクぐらいだと思う」と同意。続けて、「彼は役者を極限まで追い込みたいと願っている。悪い意味ではないけれど、役者を疲労させる目的だ。疲れて自分自身や表面的な物、意志を失い、成り行きに任せてほしいと思っているんだ」と、独特な演出方法への深い理解を示している。

『ザ・スクエア 思いやりの聖域』
4月28日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、立川シネマシティ他全国順次公開
監督・脚本:リューベン・オストルンド
出演:クレス・バング エリザベス・モス ドミニク・ウェスト テリー・ノタリー
配給:トランスフォーマー

【ストーリー】 クリスティアンは現代美術館のキュレーター。洗練されたファッションに身を包み、バツイチだが2人の愛すべき娘を持ち、そのキャリアは順風満帆のように見えた。彼は次の展覧会で「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示とすると発表する。その中では「すべての人が公平に扱われる」という「思いやりの聖域」をテーマにした参加型アートで、現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあった。だが、ある日、携帯と財布を盗まれたことに対して彼がとった行動は、同僚や友人、果ては子供たちをも裏切るものだった―。

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