瓦礫と化したシリアの街でラジオ局を開設した大学生のドキュメンタリー『ラジオ・コバニ』ラベー・ドスキー監督インタビュー映像

イスラム国(IS)との戦闘により瓦礫と化したシリア北部の街コバニでラジオ局を開設し、番組「おはよう コバニ」でDJを務めた20歳の大学生ディロバンを追ったドキュメンタリー『ラジオ・コバニ』が5月12日より公開される。それに先立ち、本作のメガホンを取ったラベー・ドスキー監督のインタビュー映像が公開された。

2014年9月からISの占領下となったシリア北部のクルド人街コバニは、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により2015年1月に解放されたが、街の大半が瓦礫と化してしまった。そんな中、20歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。生き残った人々や、戦士、詩人などの声を届ける彼女の番組は、街を再建して未来を築こうとする人々に希望と連帯感をもたらしていく。

ISとの戦闘真っ只中の2014年から2016年の3年間を捉えた本作のメガホンを取ったのは、自身もクルド人のラベー・ドスキー監督。撮影では、地雷や戦車を越えコバニに赴き、クルド人兵士によるIS兵士の尋問にも立ち会った。本作を、戦死したクルド人兵士の姉に捧げている。

現実を目の当たりにしたドスキー監督は、インタビュー映像で、「少年が死体のそばを通り過ぎる、それがシリアの日常。死体を映さないことは真実から離れることになる。映画作家としてコバニの人々に向き合わなければと思った」と語っている。

▲ラベー・ドスキー監督

『ラジオ・コバニ』
5月12日(土)より、アップリンク渋谷、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督・脚本:ラベー・ドスキー
配給:アップリンク