紘毅「自分が思っている3倍以上の明るさで演じた」映画『バケツと僕!』プレミア上映舞台挨拶

第20回講談社ノンフィクション賞を受賞した「無敵のハンディキャップ」の著者・北島行徳の小説「バケツ」を映画化。養護施設で働くことになった気弱な主人公と、“バケツ”と呼ばれる軽度の 知的障害を持つ15歳少年との友情を笑いと涙を交えて描くハートフルな人間ドラマ『バケツと僕!』が3月3日より公開。本作のプレミア上映舞台挨拶が2月21日に飯田橋の神楽座で行われ、キャストの紘毅、徳永ゆうき、あべけん太、北島行徳、監督の䂖田和彦が登壇した。

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主人公の神島役には、前川清の長男でシンガーソングライターの紘毅。バケツ役には、演歌歌手で鉄道マニアでもある徳永ゆうきが抜擢された。また、バケツが密かに想いを寄せる神島の先輩・黒田にはNHK連続テレビ小説「純と愛」、「わろてんか」の岡本玲。バケツの姉・美由紀を『NIGHT HEAD』(’94)の竹島由夏が演じ、その他、杉田かおる、ダチョウ倶楽部の肥後克広、寺門ジモン、上島隆平、ダウン症のイケメン・あべけん太らが出演。そして監督は、これまでに小林政広監督(『海辺のリア』)や本木克英監督(『超高速!参勤交代 リターンズ』)などの助監督を務め、本作で映画監督デビューとなる䂖田和彦が務めた。

原作者から「バケツのイメージにそっくり」と太鼓判を押されたという徳永は、「障害を持ちつつも健常者扱いされる難しい役で、イメージが沸かなかった。撮影前にあべけん太さんとお話しさせていただき作りあげていきました」と役作りついてコメント。障害者が演じる劇団員役のあべは「障害者をもっと知って欲しいから、見ていただけると嬉しいです。お願いします!」と言葉に力を込めた。

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主人公の神島役の紘毅は、役を演じる上で気をつけたことを聞かれると「障害を持った方と接する機会がなかったので、どうやって接するかというところからのスタートだった。撮影が進むにつれて勝手にこっちから壁を作っていたことに気がついて、変わらないんだということ学びました」と自身の気持ちの変化を伝えた。

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監督からかなり明るく演じて欲しいという要望を受けたという紘毅。「こういう題材ですから、まじめにシリアスに演じたんですけど、監督が『これはもっと楽しい映画だから』と。自分ではできるだけ楽しくやってみるんですが、監督から『暗い暗い暗い!』と言われて…、自分が思っている3倍以上の明るさで演じた」という。「映画の中では、ニュースで見るような目を背けるようなシーンもあるんですが、そこは全力で笑いながら。まじめなところほど、本気でふざけました。観た人は笑って帰ってもらって、事実は胸に残るようにしたかった」と演技に込めた気持ちを語った。

また本作を通じて、主演のふたりが意気投合し、映画の公開を応援するユニット「ゆうきひろき」が誕生。2月28日に90年代の名曲「白い雲のように」「ひだまりの詩」そして本作の主題歌「虹色のファンタジー」の3曲をCDリリースすることが発表され、実際に生歌も披露されていた。

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3月3日(土)より東京・新宿K’s cinemaほか全国公開
監督:䂖田和彦
原作:北島行徳「バケツ」(文春文庫刊)
出演:紘毅 徳永ゆうき 岡本玲 竹島由夏 二木てるみ 渡辺梓 ダチョウ倶楽部 海原はるか・かなた 杉田かおる
配給:彩プロ

【ストーリー】 養護施設で働くことになった神島(紘毅)は“バケツ”というあだ名の15歳の少年(徳永ゆうき)と出会う。バケツには軽度の知的障 害と盗癖があり、母親から虐待を受け、挙句の果てに捨てられ、さらには唯一の兄弟にも見放され、しまいには施設からも追い出されて しまう。神島は、先輩の黒田(岡本玲)からの協力を得て、バケツを引き取り面倒をみることにするのだが…。

©映画『バケツと僕!』製作委員会