『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』ヨルゴス・ランティモス監督が作品を語るインタビュー映像

『ロブスター』のヨルゴス・ランティモス監督の最新作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』が、3月3日にロードショーとなる。このほど、ランティモス監督が本作について語るインタビュー映像が公開された。

『聖なる鹿殺し』04729メイキング

本作は第70回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、今回で同映画祭3度目の受賞となる奇才ヨルゴス・ランティモスが監督と脚本を務める。ランティモス監督は、『籠の中の乙女』で第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞し、続くコリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、レア・セドゥ、ベン・ウィショーなど人気俳優が集結した『ロブスター』では第68回カンヌ国際映画祭において審査員賞を受賞、第89回アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた。そして今回、常に独自の世界観で奇抜な脚本を作り続けるランティモス監督が最新作について語った。

■ヨルゴス・ランティモス監督 インタビュー
Q:前作『ロブスター』では恋愛について描きたいとお話ししていましたが、本作ではどんなことを描きましたか?

ランティモス監督:大まかに話すと“正義”と“報復”、“信念”、“選択”などでしょうか。人生で大きなジレンマに直面すると、何が正しくて何が間違っているのか判断できなくなることですね。

Q:脚本の制作について教えてください。

ランティモス監督:どうやって始めるかは、いつも違いますね。ある状況を語りたいと思ってから始めると言ったらいいでしょうか。面白いと思った題材があってそこから始まります。今回は父親を亡くした男の子が父親を手術した医者に疑問を持って、正義を貫こうとしたマーティンというキャラクターが最初ですね。“父親を亡くした男の子”という題材です。それも“他人の過失によるもので”というね。それが前提で物語を始めて、そこからもう少し踏み込んで超自然的な要素も加えました。マーティンというキャラクターは物語の中で理論的になっていきました。人間性をさらけ出すために、どうやって登場人物に圧力をかけていこうかと試行錯誤しました。色々とストーリーも練り直して、あらゆる方法を試しながら物語を作り上げていきました。

Q:その作業は楽しいですか?

ランティモス監督:楽しいですよ、一番楽しい作業かな。編集と撮影、どっちが楽しい作業かと聞かれますが、どっちも嫌いと答えています(笑)。どちらも大変でストレスが溜まりますからね。しかし、作業の過程で共同脚本のエフティミスたちとアイデアを出し合い物語を形作っていくのはとても楽しいです。脚本はエフティミスが外枠を作ってくれて、そのあと一緒に作業します。修正を加えたり、構想を練ったりとかね。それは全く違う作業です。うまくいかなかったらまた構想を練り直す。それを何度も繰り返して、物語を作り上げています。

Q:役者を想定して脚本を書いていますか?

ランティモス監督:脚本を書いているときは誰かの特定はしていません。脚本に集中したいですし、自信を持ってセリフを書きあげたいです。脚本を書き上げて上手くいきそうだと思ったら、そこで初めてロケ地や配役を考えます。その他の必要な事もね。

Q:コリン・ファレルはお気に入りですか?

ランティモス監督:確かに彼は好きですよ。知っている仲だから良い経験ができたし、お互いの関係を深めるのはたやすいことでした。コリンの役柄は前作『ロブスター』より複雑でしたが、お互いを知っていることが大きな助けになったと思います。

また、本作の公開を記念し、『ロブスター』が1週間限定で特別上映がされることが決定した。

■『ロブスター』1週間限定特別上映 詳細
上映劇場:新宿シネマカリテ
上映期間:2月17日(土)~2月23日(金)の1週間 ※夜1回のみの上映予定
入場料金:特別入場料金:1,000円均一
※『聖なる鹿殺し』の前売り鑑賞券の提示で500円値引き。

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『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
3月3日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他にてロードショー
監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス
出演:コリン・ファレル ニコール・キッドマン バリー・コーガン ラフィー・キャシディ アリシア・シルヴァーストーン
配給:ファインフィルムズ

【ストーリー】 心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、気にかけている少年がいた。その少年を家に招き入れたときから、家族のなかに奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動しなければならなくなる。そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる…。

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