『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』ニコール・キッドマンのインタビュー動画

『ロブスター』のヨルゴス・ランティモス監督の最新作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』が、3月3日にロードショーとなる。このほど、主人公の妻アナを演じるニコール・キッドマンのインタビュー動画が公開された。

本作は、第70回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、今回で同映画祭3度目の受賞となる奇才ヨルゴス・ランティモスが監督と脚本を務める。出演するニコール・キッドマンは、本作と『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の2作品で、昨年特別に創設されたカンヌ国際映画祭「70周年賞」を受賞。本作ではコリン・ファレル演じるスティーブンの妻役アナを演じる。オスカー女優でありながら、意欲的な作品にも数多く出演するニコールに本作について語ってもらった。

■ニコール・キッドマン インタビュー
Q:完成した映画を観て、どう思いましたか?

ニコール:強烈だったわ。監督の隣に座って(観ていた)から、それもまた強烈で。でも、素晴らしい経験だったし、ラストは感動した。観客の反応を目の当たりにしたし、監督のサポートができたのもとても楽しかった。彼のようにパワフルな映画監督とカンヌに来られたのも嬉しかったしね。役者の良し悪しは映画監督の腕にかかっているから、彼のような人と一緒に働けるのは役者としての喜びだし、映画の成功を願うのは当然のことでしょう。まず、監督から出演オファーをもらってとても光栄だった。

Q:この映画では、観客はどんなことを期待できますか?

ニコール:私の夫は、この映画にはひどい拷問のような場面が時々あると言っていたけれど、同時に、素晴らしいジャズを聞いているようだとも言っていた。それから、謎解きをしながら体験しなければならないような異次元の世界みたいだとか、今まで経験したことのない旅に出ているような気にもなると言っていた。他には、今まで観た中で最高の映画だったと言ってくれた人もいた。だから、大きなスクリーンのある映画館で何千もの人々と一緒になって、あのような映画を観られるなんて素晴らしいと思う。

Q:ランティモス監督は、映画のテーマについて役者と話し合いますか?

ニコール:ランティモス監督はスタンリー・キューブリックに似ていて、「どうしてこうなるんですか?」と聞いても肩をすくめるだけ。でも、そういうのには慣れていたから大丈夫。私は(役作りの)準備が整っていたし、コリンは監督と共演したことがあったから、彼が調子を整えてくれた部分もあった。監督はとても穏やかな人。大きな声を上げたりすることもないし、演出もとても的確で、内に秘めているものがある。でも、決断力があってパワフル。静かだけどパワフルというのが監督の特徴でしょうね。それと優しいの。優しさがあるわ。

『聖なる鹿殺し』ニコール・キッドマン

ニコール・キッドマンが自ら、「私にできる役はない?」とランティモス監督へアプローチしたという本作。ランティモス監督への電話インタビューで、ニコール・キッドマン出演の決め手について質問したところ、「ニコールは人間の持つ複雑さや奥行きを演じることができる俳優。アナ役には人間のあらゆる側面―恐ろしかったり、チャーミングだったり、強かったり、卑怯だったりする―を持ち合わせていて、その多様な要素を表現できる役者が必要だったので、彼女がぴったりでした」と語っている。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
3月3日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他にてロードショー
監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス
出演:コリン・ファレル ニコール・キッドマン バリー・コーガン ラフィー・キャシディ アリシア・シルヴァーストーン
配給:ファインフィルムズ

【ストーリー】 心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、気にかけている少年がいた。その少年を家に招き入れたときから、家族のなかに奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動しなければならなくなる。そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる…。

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