戦後80年を締めくくる作品として12月5日(金)に公開される、劇場アニメーション映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』。このたびユナイテッド・シネマ豊洲で行われた東京プレミア上映会には、主演の板垣李光人(田丸均役)、共演の中村倫也(吉敷佳助役)、原作者で共同脚本の武田一義が登壇。満席の会場で、作品への想いから撮影秘話、爆笑の企画パートまで、多彩なトークが展開された。 

まず板垣は、節目の年に本作へ参加できたことへの想いを語る。「終戦80周年の節目の作品に携われることは光栄ですし、皆さんが映画を通じて歴史を知ることで繋がっていくことが嬉しいです」。一方の中村も、作品の重厚なテーマを受け止めつつ、「(題材的に)身が引き締まる部分もありましたが、上白石さんの歌声に癒されましたね」と微笑んだ。 
板垣が演じるのは、漫画家志望の心優しき青年・田丸。自身の役について、「綺麗に向けた“ゆで卵”のような存在。先陣を切るタイプではないけれど、その場にいてくれるとほっとする人物なんです」 と独自の表現で語ると、中村も即座に「わかる!」と共感。さらに中村は吉敷について、「しっかり者の長男気質。素直さと“ありがとう”“ごめんなさい”が言える人なんです」と愛情深く分析した。互いを補完し、支え合う関係性こそ、田丸と吉敷の魅力。板垣も、「勇敢さや銃の扱いのうまさなど、吉敷には羨ましい部分がたくさんあります」と、相棒への尊敬を明かした。
今回が初共演ながら、イベントでの2人の掛け合いは息ぴったり。板垣は、中村との収録をこう振り返る。「初めましてとは思えないくらいフランクで。絆を築くうえで本当にありがたかったですし、中村さんが吉敷としていてくださって嬉しかったです」。これに対し中村も、「可愛らしさと、いい意味で一癖あるところが魅力。色々考えていそうなところが面白い」と、板垣の人柄を温かく語った。原作者の武田も、二人の表現力を絶賛。「板垣さんは癒しの声で田丸そのもの。中村さんは吉敷の純朴さまで表現してくれました」と、声優陣の演技が作品を大きく引き上げたことを述べた。
イベント後半は、板垣&中村の“友情とチームワーク”を試す「パラオ語クイズチャレンジ」。1問目の「美味しい」を意味する言葉は、板垣が偶然答えを見かけそうになったというエピソードも飛び出す中、見事に正解。2問目では珍回答が続出し、「アタマダイジョーブ」「アタマニョロゾ」など個性的すぎる回答が飛び交い、会場は爆笑の渦に。 最終的に“夏の日本の風物詩”というヒントから「アタマカトリセンコウ」と回答し、こちらも正解。会場から大きなどよめきが起こった。板垣はクイズを終えて、「当時の背景や遊び心が感じられて面白いですね」、中村は「現地に行って体感してみたいですね」と語り、2人の好奇心旺盛な一面も垣間見えた。
最後の挨拶で板垣は、作品が持つ“歴史を伝える意味”について強く語りかけた。「怖い、目を背けたくなるという感情を大切にしてほしい。この作品に描かれる悍ましい歴史を恐れているからこそ生まれる感情だと思います。僕がこの作品で知った歴史を感じ取ってほしいです」、中村も“島の光景がどう変わるか”“色味や音の対比”など、映画ならではの魅力に触れ、武田は「映画化され多くの方に届くことが本当に嬉しい」と感謝を述べた。熱気と拍手に包まれ、東京プレミアは幕を閉じた。



■作品情報
タイトル: ペリリュー -楽園のゲルニカ-
公開日: 2025年12月5日(金)全国公開
配給: 東映
キャスト: 板垣李光人 / 中村倫也 / 天野宏郷、藤井雄太、茂木たかまさ、三上瑛士
主題歌: 上白石萌音「奇跡のようなこと」(UNIVERSAL MUSIC / Polydor Records)
原作: 武田一義「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」(白泉社・ヤングアニマルコミックス)
監督: 久慈悟郎
脚本: 西村ジュンジ・武田一義
制作: シンエイ動画 × 冨嶽
©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会

