第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、世界中の注目を集めたアリアン・ラベド監督による長編デビュー作『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)が、2025年9月5日(金)より全国公開される。このたび、予告編が解禁された。
物語の着想源となったのは、史上最年少でマン・ブッカー賞候補となった英国作家デイジー・ジョンソンの原作小説。わずか10か月違いで生まれた一心同体の姉妹、セプテンバーとジュライを主人公に、少女たちの密接すぎる関係が狂気へと変貌していく様をスリリングに描き出す。
解禁された予告編は、「セプテンバーは言う──」という姉の命令から始まる二人だけのゲームを通して、徐々に支配が深まり、緊張感が高まっていく様子を描く。「回って」「踊って」「笑うのを我慢して」と命令されるジュライ。どこからどこまでが自分なのか――互いの境界を見失っていく姉妹の関係に、不穏な空気が漂う。
予告編ナレーションを務めたのは、シンガーソングライターの吉澤嘉代子。映画ナレーションに初挑戦となる本作に、「姉妹は二人だけの合図や目配せで会話し、母親さえ介入できない歪な絆を結んだ。あの口笛が耳にこびりついて離れない」とコメントを寄せている。
監督を務めるのは、俳優としても高く評価されてきたアリアン・ラベド。ヨルゴス・ランティモスと共に“ギリシャの奇妙な波(Greek Weird Wave)”と称される独特の映像世界を体現し、本作ではそのスタイルを自らの演出に昇華させている。
主演を務めるのは、カンヌ国際映画祭で注目を集めたパスカル・カンとミア・サリアのふたり。さらに、『関心領域』でアカデミー賞音響賞を受賞したジョニー・バーンによるサウンドデザインが、物語の不穏な空気感を一層際立たせる。
▼予告編
■映画情報
タイトル:『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)
監督・脚本:アリアン・ラベド
出演:ミア・サリア、パスカル・カン、ラキー・タクラー
原作:デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社刊)
レイティング:PG12
公開日:2025年9月5日(金)
上映劇場:渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
ストーリー:
我の強い姉セプテンバーと、内気な妹ジュライ。誰よりも深い絆で結ばれた二人だが、通学先でのいじめを機に、母と共にアイルランドの海辺にある一族の古屋<セトルハウス>へと移り住む。そこで始まった新生活のなか、ジュライは次第に姉との関係に違和感を覚え始める。「セプテンバーは言う」と始まる命令ゲームは、かつての遊びから支配へと変わり、閉ざされた家の中に漂い始める狂気――その愛は、やがて悪夢と化す。
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