タイで異例の興行収入30億円を突破し、2023年の国内ランキングで堂々第1位を獲得した話題作『สัปเหร่อ(The Undertaker)』が、邦題を『サッパルー!街を騒がす幽霊が元カノだった件』として日本公開決定!9月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開されることが発表された。
第19回大阪アジアン映画祭で上映された際には、そのユニークすぎる設定と独自の映像美に会場が大盛況となり、SNSでも「タイ映画、ぶっ飛びすぎて最高」「タイトル詐欺じゃない、ほんとに元カノが幽霊だった」と大反響。本作は幽霊、マルチバース、恋愛、そしてホラーが一体となった“ごった煮系”映画で、ジャンルの壁を軽やかに飛び越えていく快作だ。
物語の舞台は、タイ東北部イサーン地方。霊の存在を当たり前のように受け入れるこの土地で、妊婦の亡霊・バイカーオが出没。だが、彼女の元カレである青年シアンの前にはなぜか現れない。どうしてもバイカーオに会って話したいシアンは、町で唯一の葬儀屋に幽体離脱の方法を教えてくれと懇願する。死者の世界=マルチバースに自ら赴こうという大胆な試みに、葬儀屋は「跡を継ぐこと」を条件に指南を開始。果たして元カノの本当の目的とは――?
幽体離脱からの“死者の世界突入”という突飛なプロットだけでも驚きだが、演出はさらに一筋縄ではいかない。ホラーの不穏さに笑いを忍ばせ、スピリチュアルな描写にマルチバースSFをねじ込み、そこに情熱的な愛の物語を重ねる。ここまでジャンルをミックスしながら、なおかつ観客を惹きつける構成力には脱帽だ。
日本版ポスタービジュアルでは、町を阿鼻叫喚の渦に巻き込む亡霊バイカーオの圧倒的な存在感が炸裂。さらに解禁された特報映像(30秒)では、肩車するバイカーオ、ベッドで馬乗りになるバイカーオ、街を徘徊するバイカーオなど、強烈すぎる“元カノ幽霊”の姿が次々に映し出される。そのビジュアルインパクトは、ホラー映画というよりも「愛と死のハチャメチャ演芸場」と言いたくなるほどだ。
監督・脚本を手がけたのは、ローカル文化と現代性を融合させた独自の「タイバーン・ユニバース」で注目を集めるティティ・シーヌアン監督。イサーンの風習や儀式、方言などをふんだんに取り入れ、「撮影中も霊と共にあった」と語るその演出は、リアルと幻想の境界を巧みにぼかしていく。
タイという土地に根ざした文化背景をベースにしながら、グローバルな感性で再構築された本作は、今後のタイ映画の進化を占う上でも重要な1本。異色でありながらもエンタメ性抜群、その“カオスな魅力”に日本の観客も巻き込まれること間違いなしだ。
▼特報映像
■映画情報
タイトル:サッパルー!街を騒がす幽霊が元カノだった件
原題:สัปเหร่อ/英題:The Undertaker
公開日:2025年9月26日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督・脚本:ティティ・シーヌアン
出演:チャーチャイ・チンナシリ、ナルポン・ヤイイム、アチャリヤー・シータ、スティダー・ブアティック、ナタウット・セーンヤブット
上映時間:125分
言語:タイ語(イサーン語)
配給:インターフィルム
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