『ミッドサマー』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『関心領域』など、観る者の心に焼き付いて離れないジャンルレスな映画を数々手掛けてきたスタジオA24が新たに放つ、規格外のクィア・ロマンス・スリラー『LOVE LIES BLEEDING』が、邦題『愛はステロイド』として、8月29日より公開されることが決定した。併せて、予告編とキービジュアルが披露された。
本作は、大胆で示唆に富んだストーリーテリング、刺激的な演出、そして俳優陣の化学反応が各所から絶賛され、映画批評サイトRotten Tomatoesでは94%フレッシュという高評価を獲得。ゴッサム・インディペンデント映画賞をはじめとする世界各国の映画賞に44ノミネートを果たし、第74回ベルリン国際映画祭にも出品され、『ピンク・フラミンゴ』などで知られる鬼才ジョン・ウォーターズが“2024年最高の映画”として挙げた一作。
メガホンをとるのは、狂信の末に暴走するカトリック信者の看護師を描いたホラー『セイント・モード/狂信』で長編映画デビューを果たし、映画の常識を打ち砕いて世界に衝撃を与えた新鋭ローズ・グラス。前作で彼女の才能に惚れ込み北米配給を担当したA24が、本作の製作にFilm4と共に名乗りを挙げたのだ。グラスはその期待に応え、官能的なクィア・ロマンスに退廃的なフィルム・ノワール、デヴィッド・クローネンバーグを想起させるボディ・ホラー、そしてデヴィッド・リンチが愛するシュールレアリズムまで、あらゆるジャンルを横断しながら、映画そのものに中指を突き立てる衝撃作を完成させた。
物語の舞台は、1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためにラスベガスに向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーに夢中になる。しかし、町で警察をも牛耳る凶悪な犯罪を繰り返す父や、夫からDVを受け続ける姉を家族に持つルーを庇おうとするジャッキーは、思いもよらない犯罪網に引きずりこまれることになる…。
父親を嫌悪しながらもその影響下から逃れられない女性ルーに扮するのは、『トワイライト』シリーズでブレイクし、『カフェ・ソサエティ』、『チャーリーズ・エンジェル』などの話題作に出演、『スペンサー ダイアナの決意』では第94回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた名優クリステン・スチュワート。プライベートでは、先日同性パートナーとの婚約も発表している。流浪のボディビルダー、ジャッキーと運命的な出会いを果たしたことをきっかけに虚無的な日常から抜け出し、愛する者を守るために奮闘する女性をアグレッシブに好演。80年代ファッションも相まってその相貌に真実味を宿している。彼女のパートナーとなるボディビルダー、ジャッキーに抜擢されたのは、同じくクィアであることを公表し、かつてボディビル選手として活躍し、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』にも出演するケイティ・オブライアン。艶めく筋肉美で力強さを感じさせるルックスながらも、繊細な内面を持つ複雑なキャラクターを見事に体現している。ほかにも不気味で抑圧的だが圧倒的な力を持つルーの父親を演じるエド・ハリスをはじめ、ジェナ・マローンやアンナ・バリシニコフなど、これまでのイメージを打ち砕く役に挑戦している実力派キャストの名演からも目が離せない。
キービジュアルでは、筋肉美を誇るボディビルダー・ジャッキー(ケイティ・オブライアン)と、彼女に身体を寄せるルー(クリステン・スチュワート)の姿が印象的に描かれている。80年代をイメージさせるネオンのタイトルに、「その想い、過剰摂取につき。」とタイトルとのリンクを思わせる、熱を帯びたコピーが。
予告編の前半では、不穏な音楽に乗せて愛を紡ぐルーとジャッキーが映し出される。しかし一本の電話で一変、暴力、叫び、銃撃戦…二人の強い愛によって巻き込まれてしまう、衝撃的な事件の数々…。そしてラストには、衝撃のラストを予感させる映像が。映画史に残るクライマックスに期待が高まる。
そんな本作をいち早く鑑賞したゲームクリエイターの小島秀夫からは、「筋肉、銃、暴力、殺人、ステロイド。デヴィッド・リンチを失った我々に、筋肉質ではなくなった“ハリウッド”に、ローズ・グラスは再びステロイドを大量注入する!!全てはピュアで血塗れの“愛”のため。」と本作の刺激をステロイドにかけ、監督の才能にも言及した絶賛コメントを寄せた。
『愛はステロイド』
2025年8月29日(金)全国ロードショー
監督・脚本:ローズ・グラス
出演:クリステン・スチュワート ケイティ・オブライアン エド・ハリス ジェナ・マローン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
【ストーリー】 1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためにラスベガスに向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーに夢中になる。しかし、町で警察をも牛耳る凶悪な犯罪を繰り返す父や夫からDVを受け続ける姉を家族に持つルーの身の上によって、ふたりの愛は暴力を引き起こし、ルーの家族の犯罪網に引きずりこまれることになる。
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