今関あきよし監督が新潟県胎内市を舞台に一人の女性とその孫娘の交流を描く映画『おばあちゃんの秘密』が、2026年春に公開されることが決定した。
本作はウクライナ、ロシア、岩手、鹿児島など様々な国・地域を背景に、美しい映像と優しい眼差しでそこに生きる人々を描き続ける今関あきよし監督が新潟県胎内市を舞台に、初めて手がけるシニア世代の恋愛映画。
亡くなった祖母・時子の遺言で、東京から遺品整理のため新潟県胎内市にやってきた孫娘の莉莉。夫亡き後、長く一人暮らしだった時子の家の中で、夫以外の男性との書簡の束を見つけてしまう…。
莉莉が町の人たちの交流を通し、「おばあちゃん」ではない、ひとりの女性として時子の姿を見つけ出し徐々に成長を遂げる様を、千本桜や水音響く本町通りなど胎内市の美しい風景を織り交ぜつつ描き出す。
祖母・時子を演じるのは数多くのテレビ・映画・舞台で活躍する竹下景子。「愛おしく、時に切ないおばあちゃんを明るく演じられたらと思います」と撮影前の意気込みを語る。その孫・莉莉に『魚の目』『あした、授業参観行くから。』など話題作に立て続けに出演する島田愛梨珠が扮する。「自分が一番理解していると信じて疑わない家族のことさえ、本当に知っていることはほんの一部かもしれません。私が今回演じる主演の鴨下莉莉という女性もきっとそうだと思います」と役柄の印象を語っている。
そのほか、竹下景子と『祭りの準備』以来50年ぶりの共演となる江藤潤が時子が長年密かに思いを寄せていた男性・室井を演じるほか、胎内市出身の長谷川玲奈、『恋脳 Experiment』などの篠原雅史、今関監督作の常連である大島葉子、利重剛らが脇を固める。
■島田愛梨珠(鴨下莉莉役) コメント
人間には色々な側面があるなと日々感じます。自分が一番理解していると信じて疑わない家族のことさえ、本当に知っていることはほんの一部かもしれません。私が今回演じる主演の鴨下莉莉という女性もきっとそうだと思います。彼女に少しでも寄り添うことができるよう、今関監督をはじめスタッフやキャストの皆様と共に全力で本作に向き合い続けます。そしてお客様に何か1つでもお届けすることができれば幸いです。
■竹下景子(須貝時子役) コメント
今関監督さんから「桜の時期に撮影を」とオファーを頂きました。早速、調べて。胎内市の桜並木、素晴らしいです。変わらない桜色の景色の中で、島田愛梨珠さん演じる主人公の今と、おばあちゃんとの追憶が交差する。そして、おばあちゃんには秘められた恋がある⁈ 江藤潤さんとは映画「祭りの準備」で初めてご一緒しました。互いに新人の頃から半世紀にわたるご縁に感謝しています。愛おしく、時に切ないおばあちゃんを明るく演じられたらと思います。
■今関あきよし(監督・原案) コメント
この作品を今作る理由。今の私だから作れる映画、それが「おばあちゃんの秘密」。60をとうに過ぎ、年金のご案内が届くようになり、そんな今の私にやっと撮れる映画。物語は「人」として、一人の「女性」として生きた、生き抜いたおばあちゃんの知られざる側面を描く物語だ。本当なら墓場まで持って行こうと決めていたおばあちゃん自身だけが知る《もうひとつのおばあちゃんの物語》。おばあちゃんが大好きだった。いつも優しく、怒られた記憶なんては全くない。夏休み、母方の実家に行く時の楽しみは、同い歳の親戚の男の子と遊ぶことと、おばあちゃんに会えることだった。毎日全力で遊んだ。川で泳ぎ、土手から転げ落ち、駄菓子屋で真っ赤なすももを買って食べて…。そのおばあちゃんが亡くなった時の気持ちは、悲しさと同時に全力で遊んでいた子供の時間が終わった寂しさを感じていた自分を今も思い出す。もう亡くなって随分経つけれど、おばあちゃんに捧げる映画を作ろうと決めた。映画は時間を遡ることが出来る。もう一度おばあちゃんのあの優しい笑顔に会いたい!!
『おばあちゃんの秘密』
2026年春公開予定
監督・原案:今関あきよし
出演:島田愛梨珠 竹下景子 江藤潤 長谷川玲奈 篠原雅史 大島葉子 利重剛
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
【ストーリー】 亡くなった祖母・時子の遺言で、東京から遺品整理のため新潟県胎内市にやってきた孫娘の莉莉(りり・21歳)。夫亡き後、長く一人暮らしだった時子の家の中で、夫以外の男性との書簡の束を見つけてしまう。両親の不仲で傷ついている莉莉は、大好きだった祖母の秘密に戸惑いながら、祖母の足跡と思い出をたどり、少しずつ自分の葛藤を乗り越えていく。そしてそれは、遺品整理を託した時子の、莉莉へ伝えたかったある「想い」だった…。新潟県胎内市の千本桜の美しさをイメージに、水音響く本町通りや町の人たちの交流を通し、一人の女性の人生と、孫娘の成長を描く、心温まる物語。