阿部寛が元人気キャスターに扮し、1本の電話から始まる逃れられない緊急生中継を描いた、リアルタイム型サスペンス・エンタテインメント『ショウタイムセブン』が、2月7日より公開される。公開を記念して、2月8日に丸の内ピカデリーにて舞台挨拶が行われ、阿部寛、竜星涼、生見愛瑠、錦戸亮、渡辺一貴監督が登壇した。
オープニングからクライマックスまで、息もつかせぬスリリングな攻防が繰り広げられ、予測不能な“ラスト6分”が襲いかかる本作だけに、映画を鑑賞したばかりの観客も興奮冷めやらぬ様子。そんな熱気あふれる会場内にやってきた阿部は「皆さん今日は“お足元の良い中”、お越しくださってありがとうございます。今日は錦戸さんがいらっしゃいました!」と隣の錦戸を紹介すると会場からは万雷の拍手が。続く竜星、生見も阿部に倣って「“お足元の良い中”~」と続け、会場を沸かせた。
事件の首謀者であり、阿部演じる折本を追い詰める爆破テロ犯・繁藤を演じた錦戸は、前日の夜にサプライズキャストとして出演していることがニュースなどで報じられたばかり。「僕自身ずっと出ているのに誰にも言えないままでいて。ずっと秘めた思いだったのですが、今日、やっとここで言えるのですごくうれしいです」と感慨深い様子を見せると、観客に向かって「楽しんでいただけましたか?」と質問。映画を存分に堪能した観客からは大きな拍手がわき起こった。
爆破テロ犯・繁藤を演じた錦戸だが、ほとんどが“声の出演”だったという本作の撮影中の様子を「皆さんは一生懸命撮影をされているのに、僕はひとり離れたところにいて。そこは空調が効いて、ちょっと寒いところだったので毛布にくるまっていました」と明かした錦戸。「まるで視聴者のように阿部さんたちが演じるテレビスタジオの様子が見えているので。画面に映っている阿部さんに向かって僕はずっと声を出していました。それは本当に緊張感がありました」と振り返るも、「ただ、待ち時間がたくさんあったので。その間は阿部さんが出られた音楽隊の映画をiPadでひとり観ていて。撮影がはじまったらそれを止めて阿部さんとお芝居をしていました。なんだかぜいたくな感じでしたね」と明かして会場は大笑い。「もちろん撮影の時はちゃんとやっていましたよ」と付け加えた錦戸だったが、そんな錦戸の言葉に阿部も「うれしいですね」と笑顔を見せた。
阿部演じる折本は、犯人である錦戸に“電話越し”に追い詰められていくことになるが、そんな錦戸との“直接対決”のシーンでは「ようやく錦戸さんの出番が来たなと思って。ついに犯人に会えたという喜びが尋常じゃなかったですね。錦戸さんが入ってくるシーンでは後光が射していました」と振り返った阿部。錦戸も「撮影がはじまった時はやっと来たなと思いましたし、それまでスッピンでメイクをしないで帰るという日々を過ごしていたんですけど、いざ(画面に)出るときもスッピンで、ここでもメイクをしないのかと思った」と笑うと、「特殊な関係ですよね。(撮影中も)阿部さんとも会っちゃいけないような雰囲気だったし、全然しゃべれなかった」と述懐。阿部も「会話しちゃいけないからこそ、最後に出てきたときの迫力が生かされていたなと思いました」と振り返った。
そんな2人の攻防を間近で見ていた竜星は「僕はどの作品に出ていても犯人っぽいよねと言われるんですよ。でも錦戸さんにはそういうイメージがなかった。もともと錦戸さんって犯人っぽくないじゃないですか。だから逆に生々しくてすてきだなと思いました」と語ると、「個人的には錦戸さんとは(ドラマ「ごめんね青春!」以来)10年ぶりの共演で。その時は生徒と先生役だったんで、僕からすると『先生が出てきた!』という感じでうれしかったです」とコメント。一方の錦戸も「竜星はあれからいろいろと頑張っていろんな役をやっていて。今ここできっちり仕事ができているのはすごくすてきなことだなと。いい年の重ね方をしているんだろうなと思った」と竜星の活躍ぶりに目を細めている様子だった。
一方の生見も、錦戸との共演を「スピード感と臨場感があって。鳥肌が立ちました。めちゃくちゃすごいなと思って見ていました」と述懐。竜星はそんな生見のことを「めるるはバラエティーの時のめるるじゃなくて、俳優の顔をしているんですよ。だから(共演者の)吉田鋼太郎さんも気付かなかったらしいんです」と明かすと、その言葉に続けた生見が「そうなんです。クランクアップまで気付かれなくて。ずっと別人だと思っていたらしく。吉田さんとは共演したこともありましたし、台本にも名前が書いてあって。本読みまでしていたのに…それは衝撃でしたし、おもしろかったです」と笑いながら振り返った。
そんな錦戸に犯人役をオファーした理由について渡辺監督は「9割方、声だけで阿部さんと互角にやり合わなきゃいけない役なので。それができる役者さんを考えさせていただいたということと、あとは最後に出てきたときに“待ってました!”というような。この人が犯人だったのかという驚きがあることがポイントだと思うので。そういうことを踏まえてお声がけさせていただきました」と明かす。
本作では、これまで阿部が演じてきた正義感に満ちた役柄とはうって変わった“普段見たことのないダークな阿部寛”が見られることも魅力。そこでキャスト陣には「自分だけが知る共演者の意外な一面は?」という質問も。それには阿部が「最初、めるるちゃんが怖かったんですよ」と明かして会場を驚かせると、「これは勝手な想像だったんですが、クールそうに見えるので何をしゃべろうかなと思っていたんですけど、竜星がめるるちゃんと喋っている姿を見て。すごくそのままで裏表がなくて、感じが良かった」と明かして会場を沸かせた。
続いて竜星が「それこそ阿部さんと共演させてもらって。朝、同じ時間帯になった時も、朝からシュワッと炭酸飲料を飲んでいたんですよ。あれは意外でした」と明かすと、阿部も「好きなんですよ。あまり言えないですけどね」と笑いながら返すひと幕もあった。
最後に登壇者を代表して渡辺監督と阿部から締めのあいさつを行い、まずは渡辺監督が「僕も昨日、映画館で観たんですが、最後の阿部さんのセリフが違う意味で突き刺さりました。噛めば噛むほど味が出る映画なのかなと思いました。ぜひ2度3度と足を運んでいただけたら」と語ると、阿部も「ぼくも、これは劇場で観たい映画だなと思いました。ですから僕も映画館に潜入してみたいと思います。この映画は体感型映画。その空間に一緒にいる感覚を味わっていただける映画だと思うのでぜひ劇場でご覧ください」とあいさつ。会場からは大きな拍手がわき起こった。
『ショウタイムセブン』
2025年2月7日(金) 全国公開
監督・脚本:渡辺一貴
原作:The film “The Terror, Live” written and directed by Kim Byung-woo, and produced and distributed by Lotte CultureWorks Co., Ltd. and Cine2000
出演:阿部寛 竜星涼 生見愛瑠 井川遥 吉田鋼太郎 前原瑞樹 平原テツ 内山昂輝 安藤玉恵 平田満 錦戸亮
配給:松竹 アスミック・エース
【ストーリー】 午後7時。ラジオ番組に1本の電話。直後に発電所で爆破事件が起こる。電話をかけてきた謎の男から交渉人として指名されたのは、ラジオ局に左遷された国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元人気キャスター・折本眞之輔。突如訪れた危機を番組への復帰チャンスと捉え、生放送中のスタジオに乗り込み、自らがキャスターとして犯人との生中継を強行する。しかし、そのスタジオにも、既にどこかに爆弾がセットされていたのだった。一歩でも出たら即爆破という中、二転三転しエスカレートする犯人の要求、そして周到に仕掛けられた思いもよらない「罠」の数々。なぜ、折本は指名されたのか?犯人の正体と本当の目的とは?折本のすべての発言が生死を分ける。その極限状態がリアルタイムに全国民に拡散されていく。
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会