巨匠ペドロ・アルモドバル監督の初の長編英語作品で、第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した最新作『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』が、2025年1月31日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルが披露された。
色鮮やかな映像とユーモアにあふれた作品で観客を魅了してきたペドロ・アルモドバル。アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『オール・アバウト・マイ・マザー』、アカデミー賞脚本賞を受賞した『トーク・トゥ・ハー』をはじめ映画界に偉大な足跡を残し続ける名匠が贈る最新作は初の全編英語作品で、病に侵され安楽死を望む女性と彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く物語。第81回ベネチア国際映画祭で、最高賞である金獅子賞の栄冠に輝いた本作は、およそ20分間の拍手喝采を浴び、史上最高の絶賛を受けた。75歳を越え円熟味を増したアルモドバルが独自の感性溢れるカラフルな世界観で、人生最期のかけがえのない数日間を描いた最高傑作が誕生した。
出演は、ウェス・アンダーソン監督作品やジム・ジャームッシュ監督作品の常連として知られ、『フィクサー』アカデミー助演女優賞に輝いたティルダ・スウィントンと、『アリスのままで』でのアカデミー主演女優賞に加え、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーア。2人のオスカー女優が親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現する。
予告編では、死を覚悟したマーサ(ティルダ・スウィントン)と、彼女の最期の願いを叶えようとするイングリッド(ジュリアン・ムーア)の特別な関係性が垣間見える。「雪は世界中にかすかに降り続ける。すべての生者と死者の上に」というマーサの言葉が表すように、映画の舞台となるニューヨークの美しい街並みに幻想的に降り積もる雪のカットが印象的な冒頭からはじまり、マーサとイングリッドが共に過ごす数日間が描かれる。安楽死を望むマーサは「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にいない」と口にし、イングリッドは毎朝ドアを見つめる。果たして彼女たちが行きつく結末とは。『バートン・フィンク』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のジョン・タトゥーロがマーサとイングリッドの過去に関わるキーパーソンとして登場。2人の女性の物語が色彩豊かに描かれ、全編にわたり、目にも楽しく、詩的なアルモドバルの世界が広がっていることを予感させる。
ポスタービジュアルには、ティルダとジュリアンの顔が対となり、似通いながらも異なる人生を歩んできた2人の女性の時が重なり、共鳴する一瞬の美しさを表すような構図が意味深長だ。
人生の終焉を迎えようとしているマーサは戦場ジャーナリストとして長い間活躍しており、その性格も情熱的で荒々しく自分に正直。対して小説家として成功したイングリッドは、物静かで思いやりがあり困っている人を見捨てられない性格をもつ。陰と陽のように正反対の女性たちを演じたティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアの競演が本作の大きな見どころとなっているが、まもなくアワードシーズンに突入するアメリカでは連日のようにノミネート予想が出ており、ティルダとジュリアンはどちらも主演女優賞の有力候補として注目されている。
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
2025年1月31日(金)公開
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:シーグリッド・ヌーネス「What Are You Going Through」
出演:ティルダ・スウィントン ジュリアン・ムーア ジョン・タトゥーロ アレッサンドロ・ニボラ
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 重い病に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、最期の時を迎える彼女との短い数日間が始まるのだった。
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