池松壮亮「職⼈の⽣きた⾔葉と⼿仕事と、映る⻘に感動した」藍染に関わる人々を追ったドキュメンタリー『⻘い記憶』11⽉公開

古来よりある「藍染」 をモチーフに、長編初監督となるヨシダシゲルが職人らを346日間追い続けたドキュメンタリー映画『⻘い記憶』が、11⽉9日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルが披露された。

監督は、ミュージックビデオ、映画やドラマのメイキングのディレクターを務め、現代美術家・村上隆の創作活動を追ったドキュメンタリーや職⼈の⼿仕事や背景にある⾵⼟を映像に収めてきたヨシダシゲル。本作で⻑編劇映画デビューを飾る。

本作で描かれているのは「藍染」。遥か昔、⼈類はとある植物の葉に含まれる成分が空気に触れると⻘く発⾊することを発⾒した。これが藍染の歴史の始まりである。その起源は古く、紀元前の古代エジプトまで遡る。⽇本にはおよそ1500年前に⼤陸から伝来し、⻑い年⽉をかけて成熱した技術は江⼾時代に頂点を極めた。しかし19 世紀にヨーロッパで発明された化学染料によって世界中の暮らしの中から天然由来の藍の⻘は失われていった。それは⽇本も例外ではない。しかし、時代の流れの中でも、藍染に魅せられ、向き合う⼈々の間で、何世代にもわたって継承されてきた叡智がある。

本作では、7⼈の藍染に魅せられた⼈々が登場する。江⼾時代〜明治初期の⼿間のかかる技法をあえて⽤いて再⽣に挑む孤⾼の職⼈、藍染師・佐々⽊⿓⼤。江⼾時代から続く⽇下⽥藍染⼯房の九代⽬であり、素材にとことんこだわり天然繊維と天然染料のみを使⽤して作品を制作している、染織家・⽇下⽥正。古代染⾊研究家・⻘⽊正明。藍染の原料である蒅(すくも)の⽣産者、北村仁、⼤⻄美由紀。イギリスから⽇本の天然藍に興味を持ち来⽇した染⾊家であり研究者、リンダ・ブラシントン。次世代染料を開発するバイオ研究者・清⽔雅⼠。ヨシダ監督は、346⽇間、訪れた都道府県は19に及び、彼らと向き合い、彼らが受け継いできたもの、彼らの⼝から語られる藍染への想い、そして⽇本の⻘を映像に残した。

■池松壮亮 コメント
これほど強く実感と意志のある⾔葉を久しく聞いていなかったように思います。⽣活と仕事、⾃然と⼈、叡智とサイクル。職⼈の⽣きた⾔葉と⼿仕事と、映る⻘に感動しました。

『⻘い記憶』
2024年11⽉9⽇ ユーロスペースほか全国順次公開
監督:ヨシダシゲル
出演:佐々⽊⿓⼤ ⽇下⽥正 ⻘⽊正明 北村仁 ⼤⻄美由紀 リンダ・ブラシントン 清⽔雅⼠
配給:コギトワークス

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