クラウドファンディングから始まり、世界の映画祭で絶賛された堀江貴監督作『最後の乗客』が、10月11日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルが披露された。
2020年、ある自主制作映画のクラウドファンディングが静かに始動した。震災から10年がたつ故郷、宮城・仙台への想いを1本の映画に収めようというそのプロジェクトは、僅か2日間で成立。撮影された55分の物語は仙台1館で始まり、その後世界各国の映画祭に出品、高い評価と予想外の驚き、大きな感動を呼び、相次ぐ受賞を果たし、大きな注目を受けた。そしてこの度、たったひとりから始まり世界を回って大きくなっていった『最後の乗客』という作品は、日本へ凱旋。2024年、日本全国での上映をするに至った。
このクラウドファンティングを実施し、本作の制作・監督・脚本・編集を務めたのはNY在住で、MVなどで数々のアワード受賞の経歴をもつ堀江貴。撮影は数々の名匠・巨匠の作品を手掛け、『寝ても覚めても』(濱口竜介監督)、『あのこは貴族』(岨手由紀子監督)、『さかなのこ』(沖田修一監督)、『Cloud クラウド』(黒沢清監督)などの撮影を手掛け、今一番撮ってほしいカメラマンとの呼び声も高い佐々木靖之。
予告編は、本作がこれまで受賞した数々のアワードが掲げられる中、深夜一台のタクシーが閑散とした住宅街を走るシーンから始まる。タクシー運転手仲間の間でささやかれる歩道に立ちずさむ女の噂話。ある夜、運転手の遠藤は件の歩道で、噂の女と思しき女性客を乗せた。車を発進するや、突然歩道から幼い子供を連れた母親が飛び出してきて、その母子もやむなく同乗させることに。目的地は両者ともになぜか同じ「浜枚」。4人が乗ったタクシーは走り出す。すると子連れの母が運転手に投げかける「最後に乗せたお客さん、覚えてます?」意味深な質問の意味とは?この出会いは偶然か、必然か。さらに「目的地で、この物語は<形>を変える。」というテロップにより、この作品が大きな仕掛けを内包していることをうかがわせる。そして、待ち受ける涙の意味は?
ポスタービジュアルは、出品・受賞した数々のアワードと、深夜人気のない住宅街を走る一台のタクシー。一見不穏な空気を纏ったビジュアルに、添えられたコピーには「深夜のタクシーが乗せたのは。3人の乗客と秘密―――。」彼らはどんな関わりを持ち、“秘密”とは何なのか、そのタクシーが向かう目的地と、そこで物語がどう「変わる」のか。ミステリアスな煽りが興味を引くビジュアルとなっている。
『最後の乗客』
2024年10月11日(金)ユーロスペース、池袋シネマロサ他全国順次ロードショー
監督・制作・脚本・編集:堀江貴
撮影:佐々木靖之
出演:岩田華怜 冨家ノリマサ 長尾純子 谷田真吾 畠山心 大日琳太郎
配給:ギャガ
【ストーリー】 タクシードライバーの間で “深夜、人気のない歩道に立ちずさむ女“の噂話がささやかれるなか、今日も遠藤はひとりハンドルを握り閑散とした住宅街を流していた。いつもと変わらぬ夜。噂の歩道傍で、手をあげる人影。顔を隠すように乗り込んできた女性が告げた行き先は「浜町」。走り出すや、路上に小さな女の子と母親の2人が飛び出してきた。どうしても乗せて欲しいと言って聞かないその母娘を同乗させると、行き先はやはり「浜町」。奇妙な客と秘密を乗せたタクシーは。目的地へと走りだす。
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