イタリアが世界に誇る巨匠マルコ・ベロッキオが、ヨーロッパ現代史上、類を見ない大事件「アルド・モーロ誘拐事件」を題材に、壮大な人間模様をフレスコ画のごとく描いた一大巨編『Esterno notte』(原題)が、邦題『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』として、8月9日より公開されることが決定した。併せて、特報映像とティザービジュアルが披露された。
本作は、340分の大長編にもかかわらず、2022年5月に開催された第75回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門で世界初上映された。各国のプレスから絶賛され、イタリア本国では5月、6月に前編後編に分けて劇場公開、その後秋には国営放送RAIで3夜にわたって放送され高視聴率を記録した。イタリアのアカデミー賞と言われる第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、17部門18ノミネートを果たし、監督賞、主演男優賞をはじめとした4部門を受賞した。昨年のイタリア映画祭2023でアジア初上映された際には、観客から「ストーリーに引き込まれ、アッという間の3時間半!」「ベロッキオの最高傑作!」といった熱い声が続出した。
1978年3月のある朝、元首相で、キリスト教民主党の党首のアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲われ、誘拐された。冷戦下で混迷を極め、“鉛の時代”と呼ばれていたイタリアで起きた国家を揺るがす大事件の裏側で、その時一体何が起こっていたのか?
傑作との誉れ高い『夜よ、こんにちは』で、赤い旅団側から同事件を描いたベロッキオが、「すでに語られた物語には戻らない」という自身のルールを破り再び映画化。今なお謎多き事件を、“羅生門方式”とも言える6つの視点から再構築。モーロ自身、彼を父と慕う内務大臣コッシーガ、モーロと親交が深かった教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバー、モーロの妻と家族たち…、エピソードごとに事件に関わった人物たちのそれぞれの視点で、史実にフィクションを織り交ぜながら、力強くも絢爛たる筆致で描き切った。
特報映像は、力強い演説をするモーロの姿から、党内の面々、教皇パウロ6世や妻エレオノーラをはじめとした家族、そして赤い旅団のメンバーが次々と映し出され、最後にモーロの「死にたくないことの何が狂ってますか?」という言葉が印象的に響く。
ティザービジュアルは、赤い旅団を彷彿とさせる真っ赤な背景に、誘拐される瞬間のシーンを切り取ったシンプルでインパクトの強いビジュアル。そこに「元首相 拉致監禁。事件の裏側で何が起こっていたのか?」と一文が載る。
『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』
2024年8月9日(金)、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー
監督・原案・脚本:マルコ・ベロッキオ
出演:ファブリツィオ・ジフーニ マルゲリータ・ブイ トニ・セルヴィッロ ファウスト・ルッソ・アレジ ダニエーラ・マッラ
配給:ザジフィルムズ
【ストーリー】 1978年3月のある朝、戦後30年間にわたってイタリアの政権を握ってきたキリスト教民主党の党首であり、5度の首相経験のあるアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲撃、誘拐されてしまう。世界が注目し、イタリア中が恐怖に包まれたその日から55日間の事件の真相を、アルド・モーロ自身、救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと旧知の仲である教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、そして妻であるエレオノーラ・モーロの視点から描く。
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