紀行ドキュメンタリー番組「グレートジャーニー」で一躍有名となった探検界のレジェンド・関野吉晴の初監督作品となるドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』が、8月に公開されることが決定した。併せて、特報映像が披露された。
アフリカで誕生した人類が南米最南端まで拡散した5万キロの足跡を、動力を使わずに逆ルートで辿る「グレートジャーニー」を40代で始め、足掛け10年で踏破した探検界のレジェンド、関野吉晴。アマゾン奥地で自然と共に生きる狩猟採集民族・マチゲンガ族と半世紀以上の親交を持つ関野は、自身を含め現代人が自然とどう共存していくべきかを常に考えてきた。生きものと自然の循環からヒトだけが外れ、さらに一方的な環境破壊を繰り返してきた。自然に対し、ヒトが役に立てることはないのか。
関野は2015年から「地球永住計画」というプロジェクトを始めた。どの星よりも循環に優れた地球で私たちが生き続けていくためにはどうしたらいいかを考える場だ。関野はそこで3人の賢人に出会う。野グソをすることに頑なにこだわり、半世紀にわたる野グソ人生を送っている伊沢正名(いざわ・まさな)。ウンコから生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀(たかつき・せいき)。そして、死体喰いの生き物たちを執拗に観察する絵本作家の舘野鴻(たての・ひろし)。
3人の活動を通して、現代生活において不潔なものとされるウンコ、無きモノにされがちな死体を見つめていくと、そこには無数の生き物たちが命を紡ぎ、循環の輪を繋いでいた…。初監督を務めた75歳の探検家があらたに挑んだ、いのちの循環をたどる旅は果たしてどんな結末になるのか。
■関野吉晴(監督) コメント
うんことか死体を食べるムシたちがいる。うんこ虫や死出虫(しでむし)、蝿、蛆虫(うじむし)など、嫌われ者、鼻つまみ者のチャンピオンだ。多くの人は目を背けるが、この映画の主人公3人は、絶滅危惧種や頭がいい、かわいい生き物にはとんと興味がなく、嫌われ者、鼻つまみ者の虫たちに金メダルを与えようと獅子奮迅の努力をしている。この映画では、不潔だ、気持ち悪いと嫌われ、疎まれている存在に信じ難いほどに関心を抱き、執拗に観察し、絵を描き、論文を書く。或いは50年間野糞をし続けるおじさんたちを追いかけていきます。是非この映画を観て下さい。きっと、あなたの常識を覆します。
『うんこと死体の復権』
2024年8月、ポレポレ東中野ほかにてロードショー 全国順次公開
監督:関野吉晴
プロデューサー:前田亜紀 大島新
配給:きろくびと