広島県安芸高田市議会で巻き起こった騒動を追った、広島ホームテレビ制作のTVドキュメントに、未公開映像と追加取材を加えた映画『#つぶやき市長と議会のオキテ 劇場版』が、5月に公開されることが決定した。併せて、特報映像とポスタービジュアルが披露された。
広島県北部に位置する人口26,000人余りの安芸高田市。2019年参議院議員選挙での河井夫妻による大規模買収事件で、現金を受け取った当時の市長と市議3人が辞職する。2020年8月に急きょ実施された市長選で、市民が選んだのは、政治経験ゼロ、元銀行員の37歳・石丸伸二だった。
石丸市長は、「政治の見える化」を掲げ、ツイッター(現X)での情報発信を積極的に行い、市民からの期待も高まるが、最初の議会から紛糾する。効率的で持続可能な市政を目指し、忖度なしで進める新市長と根回しを重んじる議会では、双方の手法の違いから軋轢が生まれていく。そのいきさつを次々とオープンにする市長の投稿が決定的な亀裂となり、事態は議会、SNSから法廷までをも舞台にした騒動に発展する。
新市長の政治改革は、過疎・高齢化が進む小さな自治体の未来へとつながるのか。テレビ朝日系列24社によるドキュメント「テレメンタリー」の全国放送を経て、1時間版のアーカイブ配信が900万回以上の再生を記録し、満を持しての劇場版公開となる。
■岡森吉宏(監督) コメント
私はこの映画を見た皆さんに、石丸市政の是非を問いたいとは全く思っていません。市長誕生から現在まで、延べ数百時間にわたり安芸高田市政を取材し続けた3年間。映画化の際は「市長」「議会」「市民」など、地方政治に関わる多くの視点から「生じた事象」を盛り込みました。映画の中で市長・議会の双方に、納得できる部分・できない部分があると思います。だだ、そこで終わってほしくはないのです。街の行く末を決める地方政治の在り方について、「自分の街はどうなのか、何が必要なのか」と、“自分ごと”として考えるきっかけにしてもらいたいと思います。
■立川直樹(プロデューサー) コメント
この数年、「政治」を観察しています。「報道のプロデューサー」という立場で言うと、“政治をテーマに企画を立てる機会をうかがっていた”と言えるかもしれません。広島の課題・核兵器廃絶と国会議員の向き合い、元法務大臣の現金バラマキ事件、広島選出・岸田総理の企画などを放送してきました。そして今、特に「地方政治」を知りたいと思いました。生活に直結しているのに、あまり取り上げられることが多くないと感じていたからです。思いのほか、今の日本につながる課題も浮かび上がってきたのではと思っています。
『#つぶやき市長と議会のオキテ 劇場版』
2024年5月 ポレポレ東中野にてロードショー 全国順次公開
監督:岡森吉宏
プロデューサー:立川直樹
配給:きろくびと
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