「死んじまえ!」9歳の少女が子供も大人も関係なく悪態をつきまくる!『システム・クラッシャー』予告編

社会の何処にも居場所のなくなってしまった9歳の少女を繊細かつ強烈な描写で描き、ベルリン国際映画祭やドイツ映画賞など世界各国で37冠に輝いた、新鋭ノラ・フィングシャイト監督の長編初監督作品『システム・クラッシャー』が、4月27日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルが披露された。

9歳の少女ベニーは、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化す。その怒りようといったら烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いは、ひとつ。「ただ、ママのもとに帰りたい」。しかし、母はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける。このままでは何処にも居場所がなくなってしまうという中、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの2人きり森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が…。

“システム・クラッシャー”とは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。助けることができない子供たちを指す言葉だ。

予告編でも、中指を突き立て捲し立て続けるベニーの絶叫が満載。でも本当はただ、ママと一緒にいたいだけ…。そんな願いも社会の理不尽にぶち当たるとすぐに忘れてキレ散らかしてしまう。家族もお手上げの状態で、このままではどこにも居場所が無くなってしまう。見知らぬおじさんに悪態をつくベニー、学校に行きたくないと刃物を振り回すベニー、鎮静剤を打たれ動けなくなったベニー、9歳児の過酷な現実に目を覆いたくなる映像も多数だが、それでもママを呼び続けるベニーのやまびこが切ない映像だ。バックで流れるニーナ・シモンの名曲「Ain’t Got No, I Got Life」は、なにも持ちえない自分という絶望と、それでも命と自由だけはあるという不屈の希望を歌った、映画本編でも流れる屈指の名曲だ。ニーナ・シモン自身もアメリカが持っていた様々な矛盾や問題、そして自身の置かれた環境や家族、自分自身への怒りをストレートにぶつけ、一時は音楽業界からも忌避された過去を持つ伝説のアーティストだ。

ポスタービジュアルは、子供も大人も関係なく悪態をつきまくる嵐のような9歳の少女ベニーを真正面から捉えたカット。キャンディーを頬張りながらも、その罵りようときたら大人顔負け。その怒りとは裏腹な愛の渇望を訴える視線が、作品と同様に人々を射貫く一枚となっている。

『システム・クラッシャー』
2024年4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル アルブレヒト・シュッフ リザ・ハーグマイスター ガブリエラ=マリア・シュマイデ
配給:クレプスキュール フィルム

【ストーリー】 9歳の少女ベニーは、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化してしまう。その怒りようといったら烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いは、ひとつ。「ただ、ママのもとに帰りたい」。しかし、母はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける。このままでは何処にも居場所がなくなってしまうという中、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの2人きり森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が…。

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