瀬尾まいこの原作小説を、『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた、松村北斗(SixTONES)&上白石萌音のW主演で映画化する『夜明けのすべて』が、2024年2月9日に公開される。このほど、予告編が披露された。
月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さん(上白石萌音)はある日、同僚・山添くん(松村北斗)のある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気が無さそうに見えていた山添くんもまたパニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。
予告編は、PMS(月経前症候群)の症状で不機嫌そうな表情を浮かべる藤沢さん(上白石萌音)を外に連れ出す山添くん(松村北斗)の、少し風変りな二人の関係性を切り取ったシーンから始まる。PMSで周囲にイライラをぶつけてしまう藤沢さんに「しばらく一人で怒っててもらっていいですか?」と声をかける同僚の山添くんもまたパニック障害を抱えていた。心が思い通りにならず電車など逃げ場のない場所に行けなくなってしまった山添くんのために、藤沢さんはいきなり家に押しかけて自転車をプレゼントすることを思いつく。そうやって少しずつ互いの事情と孤独を知った二人は、生きづらさを抱える者同士、遠慮のない素の自分で関わり合うことで、少しずつ希望を見出していく。
自転車で駆けていく山添くん、ベランダで風を感じる藤沢さんを優しく包み込むのは、16mmフィルムならではの美しく柔らかな光。『ケイコ 目を澄ませて』で国内外の観客を魅了した、三宅唱監督と撮影の月永雄太による圧倒的な映像美は本作でも健在だ。そして、『きみの鳥はうたえる』でも三宅監督作品の劇伴を担当したHi’Specの音楽が、少しずつ変化する日常に優しく寄り添う。さらに、藤沢さんのナレーションとともに映し出されるのは、“夜明け前がいちばん暗い。”という文章から始まる、「夜についてのメモ」と、原作にはない映画オリジナルの設定として登場するプラネタリウム。「“夜明け”を単に希望の比喩とせずに、その人その人によってさまざまな意味を持ちうる「夜」を描きたいと考えていた」と語る三宅監督が導き出したこのシーンは、やがて迎える二人の新しい“夜明け”をそっと想像したくなるような、味わい深いシーンとなっている。
山添くんと藤沢さんが勤める栗田科学の社長・栗田和夫(光石研)や、藤沢さんの母・倫子(りょう)とのささやかな日常を切り取った写真、山添くんの前職の上司・辻本(渋川清彦)や山添くんの恋人(芋生悠)らと関わり合いながら、少しずつ移ろいゆく二人の世界を捉えた場面写真も公開。生きづらさを抱えた二人にそっと寄り添う彼らの姿や優しい表情に、思わず心があたたかくなる。
『夜明けのすべて』
2024年2月9日(金)ロードショー
監督:三宅唱
原作:瀬尾まいこ「夜明けのすべて」
出演:松村北斗 上白石萌音 渋川清彦 芋生悠 藤間爽子 久保田磨希 足立智充 りょう 光石研
配給:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース
【ストーリー】 月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さんはある日、同僚・山添くんのある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気が無さそうに見えていた山添くんもまたパニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。
©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会