“ピンク四天王”と称される佐藤寿保監督が、天才画家・村山槐多(むらやま・かいた)に魅せられた現代の若者を描くアヴァンギャルド・エンタテインメント『火だるま槐多よ』が、12月23日より公開される。このほど、特報映像が披露された。
本作は、22歳で夭逝した天才画家であり詩人の村山槐多(1896–1919)の作品に魅せられ取り憑かれた現代の若者たちが、槐多の作品を彼ら独自の解釈で表現し再生させ、時代の突破を試みるアヴァンギャルド・エンタテインメント。タイトルの由来は、槐多の友人・高村光太郎の詩「強くて悲しい火だるま槐多」である。
“ピンク四天王”と称される佐藤寿保監督が、槐多の代表作である自画像“尿する裸僧”と出会い、槐多の感性に感銘を受け、「現代人の眠っている潜在意識を呼び起こし感応させるのだ!!」と本作の制作を決意。脚本は、『乱歩地獄/芋虫』『眼球の夢』などでタッグを組む夢野史郎が担当し、槐多の死後、友人たちの熱望によりデスマスクがとられた事実なども盛り込んだ本作が完成した。
W主演の槌宮朔役には、『佐々木、イン、マイマイン』などの遊屋慎太郎、法月薊役には『背中』で映画初主演を飾った佐藤里穂を抜擢。パフォーマンス集団の元村葉役に工藤景、民矢悠役に涼田麗乃、庭反錠役に八田拳、早川笛役に佐月絵美が、研究施設を脱走した4人を観察する亜納芯役で田中飄、朔を見守る式部鋭役で佐野史郎が扮する。
■遊屋慎太郎(槌宮朔<つちみや・さく>役) コメント
こんにちは、遊屋慎太郎です。突然ですが、村山槐多という人物をご存知でしょうか?この映画のオーディションを受けるにあたって、初めて彼の存在を知りました。彼の作品に触れた時、作中に登場する槌宮朔と同様に、その情熱に魅せられ、気分が高揚したことを覚えています。それは、現代に表現者として生きる我々への挑戦状のようなものにも感じました。槌宮朔を演じることが決まった時、体力を残したまま終わることだけはしてはいけないと思い、今あるエネルギーの全てを使い果たそうと決めました。それが、村山槐多という人物への最大の敬意に繋がると信じて。スタッフ・キャスト一丸となり、あの瞬間に出しうる限りの情熱を、この映画に閉じ込めることができたと思います。是非、劇場でご覧ください。
■佐藤里穂(法月薊<のりづき・あざみ>役) コメント
この作品は、キャストやスタッフの方々はもちろんのこと、大自然や、なにより村山槐多の作品たちから沢山のエネルギーを頂いてできています。私が演じた法月薊は、自分の欲望にどこまでも素直で純粋な人です。彼女の行動によって物語が大きく左右される感覚があったので、とても演りがいのある役でした。ただ、間違うと自分勝手で傲慢な人にみえてしまうので、 薊の欲望への真摯なまでの純粋さが失われないよう気をつけながら、カイタをはじめ他者とどう関わっているのか、薊にとって村山槐多とは“何者なのか”を考えながら演じました。また、佐藤監督から頂いた言葉「薊の花のように鋭く!!」を、現場に入る際に必ず何回も唱えて挑んでいました。(笑) 私たちの現実と妄想と、村山槐多の作品が入り混じり、ガランスに塗れていく様を是非是非、劇場にてご覧下さいませ!!
『火だるま槐多よ』
2023年12月23日(土)〜2024年1月12日(金)新宿K’s Cinemaにて公開 他全国順次公開
監督:佐藤寿保
脚本:夢野史郎
出演:遊屋慎太郎 佐藤里穂 工藤景 涼田麗乃 八田拳 佐月絵美 佐野史郎
配給:渋谷プロダクション
【ストーリー】 大正時代の画家・村山槐多の「尿する裸僧」という絵画に魅入られた法月薊(のりづき・あざみ)が、街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える謎の男に出会う。その男、槌宮朔(つちみや・さく)は、特殊な音域を聴き取る力があり、ある日、過去から村山槐多が語り掛ける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食された彼は、自らが槐多だと思いこむようになっていたのだった。朔が加工する音は、朔と同様に特殊な能力を持つ者にしか聴きとれないものだが、それぞれ予知能力、透視能力、念写能力、念動力を有する若者4人のパフォーマンス集団がそれに感応。彼らは、その能力ゆえに家族や世間から異分子扱いされ、ある研究施設で“普通”に近づくよう実験台にされていたが、施設を脱走して、街頭でパフォーマンスを繰り広げていた。研究所の職員である亜納芯(あのう・しん)は、彼らの一部始終を観察していた。朔がノイズを発信する改造車を作った廃車工場の男・式部鋭(しきぶ・さとし)は、自分を実験材料にした父親を殺そうとした朔の怒りを閉じ込めるために朔のデスマスクを作っていた。薊は、それは何故か村山槐多に似ていたと知り…。
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