CMディレクターでもあり、「働かざる者たち」「おしゃれの答えがわからない」「面白南極料理人」「賭けからはじまるサヨナラの恋」など数々のドラマ作品の脚本・監督を手がけてきたディレクターの有働佳史が、蓮佛美沙子、伊藤万理華、上川周作らをキャストに迎えて生まれ育った熊本・荒尾を舞台に⻑編映画初監督に挑んだ『女優は泣かない』が、12月1日より公開されることが決定。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となり、キャスト&スタッフよりコメントが寄せられた。
スキャンダルで女優の仕事を失った主人公、梨枝は、ドラマ部志望の若手ディレクター・咲と共に“女優が生まれ故郷の熊本で素顔を見せる”密着ドキュメンタリー撮影に渋々挑むことに。互いに衝突しながらも、女優復帰と希望部署への異動をかけて再起を図ろうとする2人。そんな崖っぷちの彼女たちが、家族の問題や才能の限界などの厳しい現実に直面しながらも、過ちやコンプレックスを乗り越え、やがて自分の居場所、ルーツを再発見するまでを描く。
監督の有働は、脚本完成に2年近くを費やし、2021年8月に一度クランクインするも、コロナ禍の影響で、2日目にして撮影中断。その後、1年3ヶ月を経て、2022年10月末に再クランクインし、2023年11月に九州先行公開、その後、12月に全国公開を迎える。企画立案から、完成まで6年。まさに有働の「地元で映画を撮る」という執念が生み出した渾身の一作。
スキャンダルで女優の仕事を失った主人公・梨枝を演じるのは、『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』『あちらにいる⻤』『スイート・マイホーム』と出演作が相次ぐ蓮佛美沙子。そして梨枝と衝突しながらもバディとして結束していく若手ディレクターの咲役には、『サマーフィルムにのって』「お耳に合いましたら。」「旅するサンドイッチ」「宝飾時計」など映画やドラマ、舞台と幅広く活躍する伊藤万理華。梨枝の同級生でタクシー運転手の拓郎役には、2024年のNHK連続テレビ小説「⻁に翼」、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の公開も控える上川周作。3人の他にも個性豊かな俳優陣が顔をそろえる。
▼キャスト&スタッフ コメント
■蓮佛美沙子(梨枝役)
「こんなに面白い作品のオファーをもらえるなんて、なんて幸運なんだろう」。脚本を読み終わった瞬間にそう思い、「絶対にやりたい」とマネージャーさんに興奮しながら連絡した時のことを、今でもよく覚えています。本当に、宝物のような日々でした。映画の神様に祝福されているような、たくさんの奇跡と出会いました。この映画がたくさんの人に届きますように。そして、タイトルの意味を、梨枝のあと一歩の覚悟を、受け取ってもらえますように。心から願っています。
■伊藤万理華(咲役)
咲として、蓮佛さん演じる梨枝を追い続けた日々でした。熊本の広大な景色を背に、どうしようもないめちゃくちゃな、ほぼ喧嘩の掛け合いがずっと楽しかったです。慣れないカメラの重さで常に腕が筋肉痛でしたが、撮影中はそれも忘れるくらい夢中になって撮り続けていました。カメラ越しで見た梨枝の強さと弱さ、凛としたあの横顔がずっと頭から離れません。美しかったです。
■上川周作(拓郎役)
地元のタクシー運転手で蓮佛さん演じる園田梨枝の同級生·猿渡拓郎(さるたく)役を演じました。さるたくは少しお節介な所がありますが人懐っこくて純粋で明るくて。撮影が終わった今でもさるたくと友達になりたいな、と思うくらい親しみを感じていました。現場は熱量がとても高く、みんな一丸となって撮影することができました。沢山のみなさまに、スクリーンでご覧いただけたら嬉しいです!
■有働佳史(監督)
元々、地元で映画を撮るために始めたこの仕事でしたが、色々と遠回りをしてしまい、だいぶ時間がかかってしまいました。その間、幾度となく心が折れかけましたが、地元の皆さんや、キャスト、スタッフ、また仕事では直接関わっていない友人たちの力を大いにお借りして、なんとか大望を実現することができました。この映画は、スキャンダルで仕事を失った「女優・梨枝」が、テレビ局の「AD・咲」とともに、地元で復帰仕事のドキュメンタリー撮影に挑みながら、人生のリスタートを切るという内容です。コロナ禍を経て、不要不急という言葉が定着しました。エンターテインメントの世界は、それこそ、不要不急の代名詞のように扱われてきました。結局は、たかがエンターテインメント。無くてもいいものかもしれません。しかし、それでもエンターテインメントの可能性を信じ、この仕事に「命」をかけている人間たちがいます。この映画を通して、そのことを少しでも多くの人に知って頂ければ嬉しいですし、リスタートを切ろうとする人の背中を押す一助になれたら本望です。また、本作は、エンターテインメント制作の裏側を通して「人生のリスタート」を描きつつ、同時に、誰しもが抱える「仕事と家族、どちらが大事なのか?」という普遍的な命題もテーマにしています。「どこかの誰かの物語」ではなく、「いつかの自分の物語」として、様々な境遇の人々に楽しんで頂けるものを作ったつもりです。是非とも、一度劇場に足を運んで頂けますと幸いです。
『女優は泣かない』
2023年12月1日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:有働佳史
出演:蓮佛美沙子 伊藤万理華 上川周作
配給:マグネタイズ
【ストーリー】 スキャンダルで女優の仕事を失った園田梨枝が10年ぶりに地元の田舎町に帰ってきた。理由は密着ドキュメンタリーの撮影のため。しかし、現場にやってきたのはテレビ局のバラエティ班AD・瀬野咲ただ一人。全くソリが合わない二人の前途多難な撮影がスタートする。なるべくこっそりと撮影をしたい梨枝の気持ちとは裏腹に次々と現れる知人たち。やがて小さな町で噂が広まり、撮影のことを内緒で帰郷した梨枝の存在も家族の耳に入る父・康夫と大喧嘩の末、町を飛び出した梨枝。その父は今、末期ガンで生死の境を彷徨っていた。父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝に怒り心頭の家族。果たして、ドキュメンタリー撮影の行方は?そして、梨枝と康夫の確執は…。