「何言ってんの?何でたらめ言ってんの?」安藤サクラと永山瑛太が対峙!『怪物』本編映像

是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二が初タッグを組み、故・坂本龍一が音楽を担当、安藤サクラ、永山瑛太ら豪華キャストが集結した奇跡のコラボレーション作『怪物』が、6月2日より公開中。このほど、事件の謎がますます深まる本編映像がお披露目となった。

大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。

本編映像は、麦野早織(安藤サクラ)が、息子の湊(黒川想矢)へ暴力をふるいながらも謝罪しようとしない担任教師の保利(永山瑛太)のもとへ押しかけ、対峙するシーン。怒りが収まらない様子の早織に対して、これ以上の保利との接触は逆効果だと判断し保利を隠そうとする職員たち。自分を追いかけてくる早織を見て、保利は職員の制止を振り切り「どうもすみませんでした」と深いお辞儀とともに謝罪の言葉を述べる。早織は「こんな学校がいる先生に…こんな先生がいる学校に子供預けられないでしょ、この人辞めさせてください」と思わず言い間違えをするほどの怒りを通り越して呆れた様子で訴える。しかし、保利は早織に対して、唐突に不敵な笑みを浮かべる。にわかには信じ難い保利の態度に、更に怒りが沸き上がる早織。「私何か面白いこと言ったかな、私何かおかしいこと言ったかな」と保利に詰め寄る。保利をさらに捲し立てようとしたそのとき、保利は衝撃的な一言を放つ。「あなたの息子さん、いじめやってますよ」。周りの職員は慌てふためくなか、火に油を注ぐような発言をした保利を早織が「何言ってんの?何でたらめ言ってんの?」と睨みつける場面で、映像は終わる。二人の迫真の演技に思わず息を止め、事の顛末を追ってしまうシーンだが、この二人のキャスティングには是枝裕和と坂元裕二の思いが込められている。

早織を演じる安藤サクラは、『万引き家族』に引き続き、2度目の是枝作品への出演となる。是枝は「安藤さんは底知れない女優さんですよね。『万引き家族』のとき、自分はまだこの人のいちばん深いところにタッチできていないと思ったので、もう一度お仕事できるチャンスを狙っていました」と、さほど時間の空かぬうちに再タッグを望んだ経緯を語る。

一方の保利を演じる永山瑛太は、「それでも、生きてゆく」「最高の離婚」「anone」等、坂元裕二の作品に多数出演してきた。是枝は「保利先生は彼に対して当て書きされた役ですが、坂元さんが書いたドラマ「最高の離婚」で彼が演じた役柄もそうだったように、どこか気持ち悪いと思われてしまうあの感じを、きちんと理解したうえで魅力的に表現できる人は、他にいないと思います。坂元さんが書く脚本の理解力がとても高いんですよね」と永山が坂元脚本に愛される所以を明かした。映画ファンにはたまらないタッグを組むこととなった是枝と坂元が、それぞれ再タッグを望んだ俳優陣と創り上げた本作。彼らの期待に対して圧巻の演技で応え、描き上げられた映画『怪物』に期待したい。

『怪物』
2023年6月2日(金)より、全国ロードショー
監督・編集:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
企画・プロデュース:川村元気 山田兼司
出演:安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太 高畑充希 角田晃広 中村獅童 田中裕子
配給:東宝 ギャガ

【ストーリー】 大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。

©2023「怪物」製作委員会