河林満による名篇を、白石和彌が企画プロデュースし、髙橋正弥監督、生田斗真主演で映画化する『渇水』の公開直前ティーチインイベントが、5月24日に神楽座で行われ、生田斗真、門脇麦、髙橋正弥（監督）、白石和彌（企画プロデュース）が登壇した。

上映後の舞台に登壇した生田は「この映画の撮影中、ずっと雨が降っておりました。先日やった完成披露試写会も大雨。僕はずっとこの映画のキャンペーンは“雨男キャラ”で行こうと心に決めていたのですが、今日ものすごく晴れてしまいまして…、キャラが崩壊しました」と報告すると、会場からは笑いが。「どう宣伝していいかわからないので、皆さんのお力をお借りしたいと思います。よろしくお願いします」と苦笑いだった。

髙橋監督がかなり苦労して撮っていたという、生田がタバコを吸うシーン。しかし編集でバッサリ切ったそうで、白石プロデューサーは「僕も気づきがあったり、発見があったり、勉強させてもらいました」と髙橋監督の演出を絶賛。これに生田は「あのシーン、言われて思い出した。何本もタバコ吸って、肺がブッ壊れそうになりました（笑）」と当時の心境を明かした。

また、生田は門脇に対して「今まで出会った女優さんの中で一番帰るのが早い」とし、「気付いたらメイクを落として私服になって、車に走って帰るんですよ。『なんで？』って聞いたら『1秒でも早く帰りたいんですよ』」と言われたという。早く帰るコツを聞かれた門脇は、「マネージャーさんに頼んで、駐車場が遠くにあったら、『車を前につけてください』って言って。あとは走りながら脱げるものは脱いでいく」とのことで、これに生田は「本当に早い。清々しいです」と感心しきった様子だった。

『渇水』
2023年6月2日（金）より、全国公開
監督：髙橋正弥
原作：河林満「渇水」
脚本：及川章太郎
企画プロデュース：白石和彌
主題歌：向井秀徳「渇水」
出演：生田斗真　門脇麦　磯村勇斗　山﨑七海　柚穂　宮藤官九郎　宮世琉弥　吉澤健　池田成志　篠原篤　柴田理恵　森下能幸　田中要次　大鶴義丹　尾野真千子
配給：KADOKAWA

【ストーリー】　日照り続きの夏、市内には給水制限が発令されていた。市の水道局に勤める岩切俊作（生田斗真）の業務は、水道料金滞納家庭や店舗を回り、料金徴収と、水道を停止すること（＝停水執行）。貧しい家庭を訪問しては忌み嫌われる日々であった。俊作には妻と子供がいるが別居中で、そんな生活も長く続き、心の渇きが強くなっていた。ある日、停水執行中に育児放棄を受けている幼い姉妹と出会う。自分の子供と重ね合わせてしまう俊作。彼は自分の心の渇きを潤すように、その姉妹に救いの手を差し伸べる…。

©『渇水』製作委員会