「この世界にはつながっている世界と、そうでない世界がある」『PERFECT DAYS(原題)』海外版特報映像

現代映画における最も重要な一人とされるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。彼が新たに手がけたのは東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた長編映画『PERFECT DAYS(原題)』(日本公開未定)。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品を受け、このほど、海外用特報映像がお披露目となった。

『パリ、テキサス』(1984)『ベルリン・天使の詩』(1987)『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011)等、数々の傑作を世に送り出し続けたヴィム・ヴェンダースが、日本の公共トイレのなかに small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)を見出し、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡いだ本作。平山を演じるのは、ヴィム・ヴェンダースが長年リスペクトしてやまない俳優、役所広司。ふたりの静かなセッションが、その瞬間、その瞬間にしかないものたちの美しさを描き出す。

海外版特報映像は、パリ、ロンドン、ベルリン、東京で行われた試写会で、「今の東京をこんなにも温かく、美しく、描けるのか」と驚きの声が多数あがった本作品のカンヌ国際映画祭用の映像。「この世界にはつながっている世界と、そうでない世界がある」その言葉のとおり、自分だけのルーティンのなかを淡々と生きる清掃員の平山。そしてそれを静かに揺らす出来事たち。ヴィム・ヴェンダースの見つめる詩的で温かな世界がここにある。

『PERFECT DAYS(原題)』
日本公開未定
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本 :ヴィム・ヴェンダース 高崎卓馬
出演:役所広司 柄本時生 中野有紗 アオイヤマダ 麻生祐未 石川さゆり 田中泯 三浦友和
日本配給:未定

【ストーリー】 東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。彼は淡々と過ぎていく日々に満足している。毎日を同じように繰り返しているように見えるが、彼にとってはそうではなかった。毎日はつねに新鮮な小さな歓びに満ちていた。まるで風に揺れる木のような人生である。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読み耽るのが、歓びである。いつも持ち歩く小さなフィルムのカメラで木々を撮る。彼は木が好きだった。自分を重ねているのかもしれない。あるとき彼は、思いがけない再会をする。それが彼の過去にすこしづつ光をあてていく。

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