ヴィッキー・クリープスが刷新する、大胆で挑発的な皇妃の知られざる心の軌跡『エリザベート 1878』8月公開

第75回(2022年)カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞を受賞するなど、世界中から絶賛されたヴィッキー・クリープス主演の注目作『Corsage(原題)』が、邦題を『エリザベート 1878』として、8月25日より公開されることが決定した。併せて、日本版ポスタービジュアルとメイン画像がお披露目となった。


© Felix Vratny

ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。映画界ではロミー・シュナイダーが若き日のエリザベートに扮した50年代制作の3部作が大ヒットを記録し、日本でも宝塚歌劇団、東宝ミュージカルの大人気演目の主人公として、「シシィ」の愛称で広く知られる伝説的皇妃だ。ドイツ発のNetflixのドラマシリーズ『皇妃エリザベート』(22)も好評を博し、シーズン2の制作も発表されるなど、ますます注目が高まる中、本作『エリザベート 1878』は、そんな皇妃のこれまで描かれることのなかった40歳の1年間にフォーカスし、史実に捉われない大胆かつ斬新な美術と音楽、自由奔放な表現で、それまでの「シシィ」像を打ち破り、「若さ」「美しさ」という基準によってのみ存在価値を測られてきたエリザベートの素顔を浮き彫りにする注目作となる。

主演のエリザベート役には、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ファントム・スレッド』(17)の演技が絶賛されて以来、欧米を股にかけて活躍する実力派のヴィッキー・クリープス。近年では、M・ナイト・シャマラン監督『オールド』(21)、ミア・ハンセン=ラヴ監督『ベルイマン島にて』(21)、マチュー・アマルリック監督『彼女のいない部屋』(21)など数多くの映画作品に出演し、今世界中から注目を集める女優のひとり。本作の圧巻のパフォーマンスで、見事2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞、ヨーロッパ映画賞の女優賞、シカゴ国際映画祭の最優秀演技賞に輝いた。

監督を務めたのは、オーストリア映画界の気鋭マリー・クロイツァー。2016年の自身の『We Used to be Cool(英題)』で主役を演じたヴィッキー・クリープスからのラブコールに応える形で、監督自ら脚本を執筆し、再タッグを果たした。エリザベートをリサーチする過程で彼女に心を掴まれた監督は、「エリザベートが苦しまなければならなかった世間からの期待の多くは、今日も女性に課され続けています。美しいということは、未だに最も重要で価値のある女性の特質とみなされているのです」と今、彼女を描くことの意義を語った。

撮影監督には、『クロッシング・ウォー 決断の瞬間(とき)』(14)や『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(15)のジュディス・カウフマンを筆頭に、女性スタッフを中心に女性の視点から「シシィ」像を再構築した本作は、第95回(2023年)アカデミー賞®国際長編映画賞ショートリスト(オーストリア代表)に選出され、ロンドン映画祭の最優秀作品賞を受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を得た。また『スペンサー ダイアナの決意』(21)のクリステン・スチュワートやエドガー・ライト監督、パティ・スミスらも本作を絶賛。『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(19)のシアーシャ・ローナンも「完全に気に入った!」とコメントし、各界著名人から称賛の声が多数寄せられている。

日本版ポスタービジュアルでは、エリザベートのテーマカラーであるスミレ色に彩られたエレガントな壁紙を背景に、豪華なドレスに身を包んだエリザベートが挑発的なポーズと共にこちらを真っすぐに見据える印象的な姿が切り取られる。「お飾りなんかじゃない」というキャッチコピーが添えられ、皇妃を縛り付ける「コルセット(仏語:Corsage)」や、皇室での厳格な儀式、そして世間の理想像から自由になる旅立ちの時を予感させるビジュアルとなっている。

『エリザベート 1878』
2023年8月25日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
監督・脚本:マリー・クロイツァー
出演:ヴィッキー・クリープス フロリアン・タイヒトマイスター カタリーナ・ローレンツ マヌエル・ルバイ フィネガン・オールドフィールド コリン・モーガン
配給:トランスフォーマー ミモザフィルムズ

【ストーリー】 ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために思いついたある計画とは。

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