小島秀夫「新しい“人間ヘイト”ホラー」樋口毅宏「ブチ切れ問題作」『ソフト/クワイエット』特報映像

『ゲット・アウト』『セッション』のブラムハウスが放つ、全編ワンショットの“体感型”極限クライム・スリラー『ソフト/クワイエット』が、5月19日より公開される。このほど、特報映像がお披露目となり、併せて小島秀夫、樋口毅宏よりコメントが寄せられた。

世界中の映画ファンの熱烈な支持を得ている、ホラー&スリラー界のトップブランド、ブラムハウスが新たに放つ本作は、大胆な撮影手法とセンセーショナルなテーマを融合させた衝撃的な問題作。92分の全編をワンショットで映像化し、アメリカで社会問題化しているヘイトクライム(憎悪犯罪)の狂気をえぐり出す。このうえなくリアルな没入感と息づまる緊迫感に圧倒されずにいられない体感型クライム・スリラーである。マイノリティーへの偏見を持つ白人女性たちが、あるトラブルをきっかけに思わぬ方向へと転じ、絶叫が飛び交い、暴力が炸裂する怒濤の急展開で観る者を釘付けにする。編集や視覚効果などの作為を排除した映像世界は、閑静な町のごく平凡な日常が惨たらしい地獄絵図へと変貌していく過程を、完全なるリアルタイム進行で描出。あまりにも生々しい臨場感と相まって、通常の娯楽映画のスリルを超えた別次元の恐怖を突きつけてくる。

特報映像では、閑静な田舎町を歩く女性の後姿とともに、短いながらもおぞましさがヒシヒシと伝わってくる衝撃シーンが絶賛コメントともに切り取られている。「表向きはソフトに。ひそかに心に入り込むの」というセリフとも相まり、“異次元”の映像体験と“人間の恐怖”が描かれる、スリルを超えた別次元の恐怖を突きつけてくる作品であることを期待させる映像となっている。

■小島秀夫(ゲームクリエイター)コメント
悪霊も悪魔もゾンビもモンスターもファイナルガールも出ない。何処にでもいる主婦たちが日常から転げ落ちる。人が人でなくなる恐怖をワンショットで見せつける。吐き気がするほど恐ろしいのは、それが心霊現象でも超常現象でもないからだ。今のご時世を見事に逆手に取った新しい“人間ヘイト”ホラー映画だ。

■樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)コメント
「アホでマヌケなアメリカ白人女」のいちばん長い日。分断社会が生んだ、2020年代最大のブチ切れ問題作!

『ソフト/クワイエット』
2023年5月19日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督・脚本:ベス・デ・アラウージョ 
出演:ステファニー・エステス オリヴィア・ルッカルディ エレノア・ピエンタ メリッサ・パウロ シシー・リー ジョン・ビーバース
配給:アルバトロス・フィルム

【ストーリー】 とある郊外の幼稚園に勤める教師エミリーが、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義のグループを結成する。教会の談話室で行われた第1回の会合に集まったのは、主催者のエミリーを含む6人の女性。多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。やがて彼女たちはエミリーの自宅で二次会を行うことにするが、途中立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論が勃発。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らすことを計画する。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった……。

© 2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.