“NTR(寝取られ)”という共通点を持つ、文豪・谷崎潤一郎と江戸川乱歩の名作を、井上博貴監督が現代劇として大胆にアレンジした『鍵』と『人でなしの恋』が、6月 25日より同日公開されることが決定した。
『鍵』は、何度も映画化される谷崎潤一郎の不朽の名作が原案。中年の大学教授である神田は、年の離れた妻の郁子を性的に満足させられないことに悩んでいた。ある日、義妹の敏子に紹介した自身の教え子で大学院生の木村に対して郁子が色目を使う姿を目の当たりにし、かつてない性的興奮を覚える。そんな興奮を自身の精力剤代わりに活用しようとあの手この手で“妻”と“教え子”が接近する状況を仕掛ける。そして興奮レベルを更新しないと満足できなくなった神田の行動は、アブノーマルにエスカレートしていく。
主演の神田役は大森立嗣監督作『ぼっちゃん』で映画初主演を果たし、日本映画プロフェッショナル大賞「新進男優賞」を受賞、名バイプレイヤーとして独自の位置を築く水澤紳吾。神田の妻・郁子役に塩田明彦監督作『風に濡れた女』で日本映画プロフェッショナル大賞「新進女優賞」を受賞した桝田幸希。神田の教え子・木村役をドラマ「あなたの番です」、戦隊シリーズ「魔進戦隊キラメイジャー」等、様々な話題作に出演の若手実力派・水石亜飛夢。郁子の妹・敏子役を映画『ベイビーわるきゅーれ』でヤクザの娘役を演じ大きな話題を呼んだ秋谷百音がそれぞれ演じる。
『人でなしの恋』は、江戸川乱歩が自身の作品の中でもお気に入りと公言していた一作が原案。 失恋し落ち込んでいた京子はマッチングアプリで門野と出会い、お互い惹かれあって結婚する。美青年で優しい門野との生活に幸せを感じる京子だったが、ほどなくして、夫が自分以外の誰かを愛しているのではと疑惑の念に駆られ、探偵の野村を雇い、必死に真相を追っていく。しかし京子が門野の本当の姿を知ろうとすればする程、謎の中で彷徨っていく。そして真相に辿り着き、目の当たりにしたものは想像を超えた衝撃的な光景だった。
主演の京子役は、同性からの人気が高いヌードモデルとして話題となり、リム・カーワイ監督作 『COME&GO』など女優としても活躍する兎丸愛美。京子の夫でミステリアスな門野役には、「真田丸」、「青天に衝け」などのNHK大河ドラマを始め、映画『下衆の愛』、『武蔵-むさし-』、『ピア〜まちをつなぐもの〜』、『海辺の映画館〜キネマの玉手箱〜』など数多くの作品に出演する実力派・細田善彦。そして、探偵であり、京子とただならぬ関係になる野村役に、「仮面ライダー」シリーズ、ドラマ「砂時計」などで注目を集めた渋江譲二がそれぞれ演じる。
両作品の監督を務めるのは、故石井輝男に師事し、ショートフィルム『痣』が、カンヌ国際映画「SHORT FILMS FROM JAPAN 2018」で上映、「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018」ジャパン部門、ベストアクトレス賞を受賞するなど国内外で高い評価を得た井上博貴。今回、二人の文豪による倒錯の“NTRワールド”に現代的な切り口で挑む。
▼スタッフ&キャスト コメント
■水澤紳吾(『鍵』神田直己役)
『神田先生』という小さなおじさんの、どうしようもない切実さが可笑しみとなっていてくれたら、と願っております。映画の完成は、いつもドキドキと身をこわばらせて待つ私ですが、なぜかワクワクしていて驚いています。ワクワクするのは初めてです。監督、スタッフ、共演者の皆様に支えられた本作が劇場公開となり感謝です。映画館に観にきて頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。
■桝田幸希(『鍵』神田郁子役)
過密なスケジュールの中で現実世界と現場での境界線が無くなってしまい、私が今いるこの世界、これは今どっちのなんだ!?と彷徨ってしまいました(笑)。今までに体験したことのないような現場でしたが、監督や共演者、スタッフを含む皆様のおかげで、貴重な体験と経験のすべてが濃厚で濃密な素敵な日々を送ることができたと思います。現場で体験したすべての出来事を今でも、そしてこれからもずっと忘れず生きていきたいと思っています。皆さまもぜひ歪んだ世界へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
■兎丸愛美(『人でなしの恋』門野京子役)
わたしの知らない愛でした。わたしもだれかを本気で愛したらこんなふうに不安や絶望感で満たされ、些細なことで疑心暗鬼に陥り、相手を思う自分すらも失い、嫉妬で狂ってしまうのだろうか。京子にまったく共感できなかったわたしはそんなことを思っていましたが、撮影に入るとわたしの中のだれにも見せたことのないような感情が湧き上がり、こんなにも心が削られていくものなのかと思い知らされました。愛に掻き乱されるわたしたちをどうぞ劇場でごらんください。
■細田善彦(『人でなしの恋』門野慧役)
どんな形でパートナーと出会おうと、その人の本質を知ることの難しさ、その人に本音を曝け出す難しさは変わらないと思います。そんな普遍性を現代に生きる我々にも感じやすく井上監督がアレンジしたストーリーは他人事に思えないほど、共感しやすいものでした。江戸川乱歩作品に馴染みのない方にも勧めたい作品です。映画『人でなしの恋』をよろしくお願いします。
■井上博貴(監督)
日本文学の巨人である谷崎、乱歩の作品を原案に物語を作る事をプレッシャーに感じることもありましたが、各テーマは未来を予見するかのように現代にマッチし、今改めて多くの人の関心を惹くものであると感じました。思い切ったアレンジにトライしましたが、現代の偏愛ストーリーとして愉しんで頂けるものになっていると思います。キャスト、スタッフと共に作り上げたどこかねじれた世界を覗きに劇場にお越し頂けたら幸いです。
『鍵』
2022年6月 25日(土)より、池袋HUMAXシネマズにて公開
監督・脚本:井上博貴
出演:水澤紳吾 桝田幸希 水石亜飛夢 秋谷百音
配給:BBB
【ストーリー】 中年の大学教授である神田(水澤紳吾)は、年の離れた妻の郁子(桝田幸希)を性的に満足させられないことに悩んでいた。ある日、義妹の敏子に紹介した自身の教え子で大学院生の木村(水石亜飛夢)に対して郁子が色目を使う姿を目の当たりにし、かつてない性的興奮を覚える。そんな興奮を自身の精力剤代わりに活用しようとあの手この手で“妻”と“教え子”が接近する状況を仕掛ける。そして興奮レベルを更新しないと満足できなくなった神田の行動は、アブノーマルにエスカレートしていく。
『人でなしの恋』
2022年6月 25日(土)より、池袋HUMAXシネマズにて公開
監督・脚本:井上博貴
出演:兎丸愛美 細田善彦 渋江譲二 上野なつひ 織田美織
配給:BBB
【ストーリー】 失恋し落ち込んでいた京子(兎丸愛美)はマッチングアプリで門野(細田善彦)と出会い、お互い惹かれあって結婚する。美青年で優しい門野との生活に幸せを感じる京子だったが、ほどなくして、夫が自分以外の誰かを愛しているのではと疑惑の念に駆られ、探偵の野村(渋江譲二)を雇い、必死に真相を追っていく。しかし京子が門野の本当の姿を知ろうとすればする程、謎の中で彷徨っていく。そして真相に辿り着き、目の当たりにしたものは想像を超えた衝撃的な光景だった。
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