“この恋はハラスメントなのか、純愛なのか”田山花袋の名作を映画化『蒲団』予告編

日本の自然主義文学を代表する作家である田山花袋が1907年(明治40年)に発表し、日本文学史における私小説の出発点と言われている不朽の名作「蒲団」を原案にした長編映画『蒲団』が、5月11日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルが披露された。

原作は、妻子のある小説家・竹中時雄が、懇願されて弟子にした女学院の学生・横山芳子に恋をするが、彼女に恋人ができたことで嫉妬に狂い、破門にしたにもかかわらず強い未練を残すという内容で、蒲団に残った芳子の残り香を嗅ぐ「心のゆくばかりなつかしい女の匂いを嗅いだ」という一節はあまりにも有名だ。

舞台を明治から令和に移し、小説家から脚本家に設定を変えた主人公の時雄を演じるのは、『Helpless』『EUREKA』『サッド ヴァケーション』等、青山真治監督の常連俳優として知られ、数々の映画・ドラマに出演してきた名バイプレイヤーの斉藤陽一郎。今作は『軒下のならずものみたいに』以来、20年ぶりの単独主演作となる。脚本家志望の芳美には、映画『ベイビーわるきゅーれ』で注目を集め、出演作が相次ぐ期待の若手・秋谷百音。時雄の妻・まどか役には『笑いのカイブツ』『一月の声に歓びを刻め』を始め日本映画界に欠かせない名優・片岡礼子。

小説で有名な一節「心のゆくばかりなつかしい女の匂いを嗅いだ」を再現したような、中年脚本家の時雄が蒲団に落とす視線が切なく、弟子である芳美に心を奪われ、狂わされている様子が伝わるポスタービジュアルと予告編になっている。

また、兵頭功海、永岡佑も共演することが発表となった。兵頭が演じる芳美の彼氏で脚本家志望の秀夫、永岡演じるプロデューサーの海谷それぞれの場面写真も公開された。

『蒲団』
2024年5月11日 K’s cinemaにて公開
監督:山嵜晋平
原案:田山花袋「蒲団」
脚本:中野太
出演:斉藤陽一郎 秋谷百音 兵頭功海 永岡佑 片岡礼子
配給:BBB

【ストーリー】 竹中時雄(48)は脚本家を生業としているが、仕事への情熱を失い、妻のまどか(47)との関係も冷え切り、漠然と日々を過ごしていた。ある日、時雄の作品の大ファンで脚本家を志しているという横山芳美(21)が仕事部屋に押しかけ、弟子にしてくれてと懇願する。時雄は芳美の熱心さに根負けする形で師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするなかで芳美の物書きとしてのセンスを感じるとともに、彼女に対し、恋愛感情を覚えるようになる。芳美と同じ空間での共同作業を進めていくうち、納得がいく文章が書けるようになり、公私ともに充実感を得るようになる時雄。だが、そんな日々もつかの間、芳美の彼氏で同じく脚本家を目指しているという田中秀夫(20)が上京してくるというのだ。嫉妬心と焦燥感に駆られ、強く反対する時雄だったが…。

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