「映画は我々の人生を形成する」選りすぐりの111本を紐解く『ストーリー・オブ・フィルム』予告編&ポスタービジュアル

スコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズが、近代の傑作映画111本の制作背景や、その内容を紐解いていくイギリスのドキュメンタリー『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』が、6月10日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、スコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズによる、2010年〜2021年に公開された傑作映画111作品に焦点を当てたドキュメンタリー。これまでの人生で「きちんと数えた事が無いから具体な数字は分からないけれど恐らく、約1,6000作品以上は観ていると思うな。この10年の間だと、約3,600作品くらいかな。365日毎日欠かさず映画を観ているよ」と並々ならぬ映画への想いを明かす監督自らが本編のナレーションを務め、独自の視点で大ヒットディズニー作品『アナと雪の女王』や、社会現象にもなった『ジョーカー』等メジャー大作からアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作『光の墓』、アリ・アスター監督作『ミッドサマー』等のインディペンデント作品まで、ジャンルを問わず、近年の映画史を紐解くと共に、COVID-19によるパンデミックのなか、進化していくデジタル配信の可能性、進化を続ける映像技術を紹介、同時に映画が齎す希望、力、革新が語られる。

本編でお目見えする111本の映画は、受賞歴や興行成績といったありきたりな選択基準にはまったく則っていない。『ジョーカー』『アナと雪の女王』という一見何の関係もない2作品が、実は“解放”という意外なキーワードで共通していることを指摘するオープニングからしてサプライズの連続。そして“映画言語の拡張”“我々は何を探ってきたのか”という2部構成で、既成概念に囚われず革新的な映像表現を実践した映画を検証していく。本作の胸躍る魅力は、引用されたタイトルをいくつか列挙するだけでも伝わるだろう。コメディのジャンルからは『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』『デッドプール』、アクションからは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、ホラーからは『ミッドサマー』『イット・フォローズ』をセレクト。さらに、日常の中の夢幻性(『光りの墓』)、斬新な身体表現(『ムーンライト』『ゼロ・グラビティ』)、独特の時間感覚(『コロッサル・ユース』『象は静かに座っている』)、世界を捉える新しい視線(『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『サウルの息子』)を獲得した作品、GoProやスマートフォンといった新世代カメラ(『リヴァイアサン』『タンジェリン』)、モーション・キャプチャーなどの最先端デジタル技術(『猿の惑星:聖戦記』『アイリッシュマン』)を導入したエポック・メイキングな作品を振り返る。カズンズ監督の独自の愛にあふれる批評的視点が積極的に盛り込まれ、観る者の知的好奇心や探求心をかき立ててやまない。

予告編では、劇中で取り上げられる「111」に及ぶ映画の一部を覗き見ることができる。DCコミックスの映画作品として、史上初めてベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『ジョーカー』や、傷つきながらも逞しく生きる少年を描き、アカデミー賞で作品も受賞した『ムーンライト』ほか、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などの伝説的アクション映画、SFでもある『ゼロ・グラビティ』、圧倒的な美的センスでフランス映画界を代表するレオス・カラックス監督による『ホーリー・モーターズ』まで、近年誕生した驚きの傑作の数々を多岐に渡って監督独自の視点で解説する様子が切り取られており、「映画は我々の人生を形成する」との監督の言葉通り、あらゆる映画への賛歌が贈られた映像となっている。

ポスタービジュアルは、劇場の座席をアイコニックに表現したもの。サイドには、登場する膨大な映画リストが列挙、「出掛けましょう、銀幕の世界へ。」の言葉通り、その作品の数だけ、映画によって開かれる新しい世界への入り口を導くような期待感あふれるビジュアルに仕上がった。

『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』
2022年6月10日(金)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督・ナレーション:マイク・カズンズ
配給:JAIHO

【作品概要】 スコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズが、近代の傑作映画111本の制作背景や、その内容を紐解いていくイギリスのドキュメンタリー。