フジテレビ「Mr.サンデー」の企画として始まり、認知症の母親と耳の遠い父親の暮らしを、ひとり娘である信友直子監督が自身の視点で丹念に映し出し、令和元年度文化庁映画賞、文化記録映画大賞を受賞するなど、高い評価を得たドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』の続編『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』が、3月25日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。
本作は、東京で働く信友直子監督が、広島県呉市で暮らす認知症の母親と、耳の遠い父親の生活をありのままに映し、大ヒットしたドキュメンタリーの続編。母親の入院と、新型コロナの世界的拡大により、いつも一緒だった夫婦が顔を合わせることさえままならなくなった現実を映す。
▼著名人 絶賛コメント
■大竹しのぶ(女優)
悲しくて涙がポロポロ零れるけれど、それは温かい涙です。お父さんの言葉には愛しか見えないからです。お二人が私達に尊いものを教えて下さいます。ありがとう。
■片渕須直(映画監督/『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』)
長い道のりのはてに帰りたい家。僕たちの中にもその姿が宿りました。
■宮藤官九郎(脚本家・監督・俳優)
笑いあり、涙あり、シャウトあり、アクションあり。ご夫婦の、親子の愛情の深さに胸打たれる、圧巻の続編でした。それにしても映画って素晴らしいな。ブルース・リーにも田中邦衛にも、お母さんにも、こうして会えるんだから。お父さん、いつまでもお元気で!
■西川美和(映画監督)
老いとの向き合い方、生の閉じ方について、さまざまに迷いながら観た。この一家の選択は正しいのか。自分ならどうするか。ただ、互いを大切に思う言葉を生きているうちに何気なく渡し合える家族は強い。「なんもしてあげられんで、ごめんね」「えーわいねえ」この会話こそが、家族のあることの素晴らしさだと思う。
■渡辺えり(劇作家・演出家・俳優)
凄い映画、凄い親子だ。悲惨な場面もいとおしく笑える。三人の内面にあるユーモアが優しく強い。私の両親も91歳と95歳。監督の父が坂道の途中で買い物袋を両手に持ち息を切らして「これも運命、定めなんだ」といった言葉を思い出し、どんな状況でもあきらめないで会いに行こうと決めた。だってやっぱり両親を愛しているんだもの。
■中江有里(女優・作家・歌手)
老いて、弱る二人を抱きしめるようにとらえる画と語りに何度も胸が詰まった。映画の隅々に愛があふれている。
■村松静子(在宅看護研究センターLLP代表)
父・母・娘それぞれに潜む葛藤は“愛”そのもの。自らの異変に気づき苦しむ病、母は最期まで“最強の教師”だった。笑いあり、涙あり、1200日の記録は感動を超え、“人生会議(ACP)”のあり様をも問う。
『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』
2022年3月25日(金)より全国順次公開
監督・撮影・語り:信友直子
配給:アンプラグド
【ストーリー】 東京で働くひとり娘の「私」(監督・信友直子)は、広島県呉市に暮らす90代の両親を1作目完成後も撮り続けた。2018年。父は家事全般を取り仕切れるまでになり日々奮闘しているが、母の認知症はさらに進行し、ついに脳梗塞を発症、入院生活が始まる。外出時には手押し車が欠かせない父だったが、毎日1時間かけて母に面会するため足を運び、母を励まし続け、いつか母が帰ってくるときのためにと98歳にして筋トレを始める。その後、一時は歩けるまでに回復した母だったが新たな脳梗塞が見つかり、病状は深刻さを極めていく。そんな中、2020年3月に新型コロナの感染が世界的に拡大。病院の面会すら困難な状況が訪れる。それでも決してあきらめず奮闘する父の姿は娘に美しく映るのだった…。
©2022「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」製作委員会