スーパーの駐車場で口論となり、母が娘を車で轢く衝撃の映像が!『同じ下着を着るふたりの女』予告編

相手を完全に愛することも憎むこともできない、中年シングルマザーの母親と20代の娘の複雑な心情を韓国の新鋭キム・セイン監督が同じ女性の視点から描き出す『同じ下着を着るふたりの女』が5月13日より公開されることが決定した。このほど、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となり、西川美和監督より推薦コメントが寄せられた。

本作は中年シングルマザーの母親と20代の娘の、暴力と依存の悪循環に陥った親子関係を描いた韓国の新鋭キム・セイン監督の長編デビュー作。ここ日本でも近年、過干渉や暴言・暴力などで子どもを思い通りに支配しようとする“毒になる親”=「毒親」や、子供が親を選べない状況を指す「親ガチャ」といったキーワードが注目を集める一方で、2022年には、“良い母親”になりきれない女性たちの葛藤を明らかにした書籍「母親になって後悔してる(オルナ・ドーナト著、新潮社)」がヒットするなど、いま、改めて親子関係に起因する様々な困難や苦悩を捉え直す動きが、社会的なイシューとなっている。

予告編では、若くしてシングルマザーとなった母スギョンと、その娘イジョンが買い物に訪れたスーパーの駐車場で口論となり、母が娘を車で轢いてしまうという衝撃の場面も描かれる。本編ではこの件がきっかけとなり、母を相手に娘が裁判を起こす事態へと発展。ただのケンカでは済まされない母娘の差し迫った状況に緊張感が走る。しかし、一方で自身の人生の幸福を求める母の心情にも目を向けた場面もあり、本作が一方的に母を断罪する作品ではないことも示唆されている。

予告編の最後では、いち早く作品を鑑賞した西川美和監督からの推薦コメントも紹介されており、本作が長編初監督であるキム・セイン監督の映画作家としての姿勢を絶賛している。

■西川美和(映画監督)コメント
人間は、絶望的に変わらない。しかし、その絶望を引き受けながら、懸命に出口を探した作家としての姿勢に感動する。

『同じ下着を着るふたりの女』
2023年5月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・脚本:キム・セイン
出演:イム・ジホ ヤン・マルボク チョン・ボラム ヤン・フンジュ
配給:Foggy

【ストーリー】 30歳を目前に控えたイジョンと母のスギョンは、ふたりで団地に同居している。若くしてシングルマザーとなったスギョンは幼い頃から娘に辛く当たり、そんな母に対してイジョンも長年積み重なった恨みを隠しきれずにいた。ある日、買い物に訪れたスーパーの駐車場で二人はいつものようにケンカになり、車から飛び出したイジョンを母スギョンが轢き飛ばしてしまう。スギョンは「車が突然発進した」と警察に説明するが、イジョンは故意の事故だと疑わず、母を相手に裁判を起こす。そんななかイジョンは、会社に新しく入社した同僚スヒの気遣いに触れ、彼女に癒しを求めるようになる。一方スギョンも、恋人ジョンヨルとの再婚の話が進んでいた。ようやくふたりはそれぞれの人生を歩むかに思えたが。