「愛する故郷よ!世界一の街!」激動の時代をたくましく生きる少年と家族の絆『ベルファスト』予告編&ポスタービジュアル

俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続け、世界中から絶大な評価を得るケネス・ブラナーが自身の幼少期を投影した自伝的作品で、第46回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞した『ベルファスト』が、2022年3月25日に公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

第46回トロント国際映画祭にて最高賞にあたる観客賞を受賞し、各誌から絶賛の声が続出する本作。世界中の批評家を魅了して、本年度アカデミー賞最有力候補に名乗りをあげた。北アイルランド・ベルファスト出身のブラナー自身が監督・製作・脚本を努め、9歳の少年バディの目線を通して、愛と笑顔と興奮に満ちた日常と、激動の時代に翻弄され様変わりしていく故郷ベルファストを克明に映し出し、困難な状況におかれながらも、未熟だった殻を破って大人へと転換していくひとりの少年の成長と、その家族の強く気高い魂をモノクロ映像でパワフルに魅せる。

予告編の冒頭では、牧歌的で愛に溢れ、平和な時間が流れるベルファストの街から描かれるが、次の瞬間、突如暴徒が押し寄せ街の様子が一変。不穏な空気が蔓延し、怯える人々の姿が描かれている。しかし一方で、過酷な現実に立ち向かい、笑顔とユーモアを忘れずに未来へと向かう家族の姿も描かれており、抗うことのできない時代の変化に葛藤しながらも、前を向く勇気を貰える予告編に仕上がっている。自身の幼少期を投影し、自伝的作品として本作を描いたブラナーは「その時の光景は、まさに私が記憶していたまま描かれている。あの午後、スローモーションのように世界がひっくり返る瞬間を見た。その瞬間から、世界は永遠に変わってしまったんだ」と当時を振り返るも、「過激さは違えども、世界中の人が同じような転換期を経験しているはずだと思ったんだ」と明かしており、コロナ渦の中、世界に変革がもたらされているこの時代にこそ、届けるべき物語であることを語っている。実際、50年もの間本作の製作に着手できなかった中で、2020年に起きたパンデミックの最初のロックダウンが始まった頃に脚本を書き始めたそう。

あわせて到着したポスタービジュアルでは、躍動感溢れるバディの姿と「明日に向かって笑え!」というコピーが目を引くエネルギッシュなデザインが、未来への希望を感じさせてくれる。9歳の少年バディの目線を通し、時代に翻弄され様変わりしていく故郷の厳しい現実と、家族とともにそこで過ごした愛と笑顔と興奮に満ちた日々を力強いモノクロ映像で描きだした本作。抗うことのできない変化に戸惑い葛藤しながらも、決してうつ向くことなく、笑顔とユーモアを持って未来へと一歩踏み出す人々の力強さを描いている。

『ベルファスト』
2022年3月25日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開
監督・製作・脚本:ケネス・ブラナー
出演:カトリーナ・バルフ ジュディ・デンチ ジェイミー・ドーナン キアラン・ハインズ ジュード・ヒル
配給:パルコ ユニバーサル映画

【ストーリー】 ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。笑顔にあふれ、たくさんの愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる…。

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