海外での評価も高い石井克人監督ほか、数々の映像監督の元で助監督を務め、自身も映画やCMの演出・企画・脚本を手がける新進気鋭の若手監督・狩野比呂の長編映画初監督作品『その消失、』が、2月25日にレイトショー公開されることが決定。併せて、予告編と、ポスタービジュアル、場面写真が公開された。
物語は優秀な刑事・松井が捜査する連続ストーカー事件。だが、真相を追えば追うほど松井の周囲では不可解な出来事が。ラストには衝撃の事実が待ち受ける。
主人公・松井に扮するは『罪の声』『青葉家のテーブル』など出演の札内幸太。さらに、是枝裕和監督の『奇跡』で映画出演デビューし、その後もマルチに活躍する平祐奈、『佐々木、イン、マイマイン』『くれなずめ』とヒット作が続く藤原季節、『響-HIBIKI-』『胸が鳴るのは君のせい』他大河ドラマ『麒麟がくる』の板垣瑞生など、まさしく活躍著しい若手俳優達が集結した。そのほか、近年、活躍著しい岡山天音、CMでも活躍中の泉里香、名バイプレイヤー井上肇などが華を添える。狩野監督の持つアート性、ミステリアスな雰囲気、観るものを楽しませたいという娯楽性が融合されたサスペンスフルな人間ドラマが完成した。
■狩野比呂監督 コメント
人間には、人を愛するという普遍的な感情の裏に、人を憎むという同じく普遍的な感情が常にあって、その葛藤の中で憎の感情が大きくなると、その度に何か大切なものが失われていきます。その1つの消失は新たに1つの愛と1つの憎を生んで、愛は見えるものとしてそこに「平和」という幻想を生み、憎はその背後で愛を蝕んで新たな「消失」を生みます。そうして消失は連鎖していきます。その「連鎖」は、人間が生きている限り、抗おうとしてもおおよそ止まる事はなく、救いの道はありません。もし止まる事があるとしたら、それは自然が与えてくれた運によるものでしかありません。人間は弱い。そんな「人間の弱さ」とそれが生む「消失の連鎖」を表現したい。それがこの作品を作ろうとしたキッカケです。こういったサスペンス要素のある人間ドラマを予算のない自主制作映画の脚本として採用するのには大変勇気が入りましたが、自主映画だからといって自己完結的な作品にするのではなく、この物語自体を広く楽しんでもらえるような娯楽性のある作り方をしました。ある1人の刑事の数週間の永い物語です。この作品を見終わった観客の皆さんが主人公の刑事・松井幸太という人間に感じるであろう感情。それはおそらく、皆さんが全ての人間についてどう感じながら生きているのか、それと同じ感情だと思います。何かが消失していく悲しみよりも、何かが生まれてくる幸せに目を向けて生きていきたいという、僕個人や仲間の願いを込めて、それが見てくれる方々にも伝わって欲しいと思っています。
『その消失、』
2022年2月25日(金)ヒューマン・トラストシネマ渋谷 にてレイト公開
原案・監督・脚本・編集:狩野比呂
出演:札内幸太 平祐奈 泉里香 朝見心 高見こころ 横田美紀 ペ・ジョンミョン 藤原季節 地曵豪 板垣瑞生 井上肇
配給:AMGエンタテインメント
【ストーリー】 刑事・松井(札内幸太)はとある連続ストーカー事件を捜査していた。被害者3名の女性。彼女達の身辺に現れる謎の男、この事件と何らかの関わりがあると思われる謎の女。女性達が次々と不審死を遂げる中、真相に迫ろうとする松井を度々襲う記憶障害。事件と松井が過去に負った深い心の傷が線で結ばれた時、悲劇の幕が上がる。
©「その消失、」製作委員会