カリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹が独創的な感性と世界観で「カルト」の世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した問題作を、鬼才・城定秀夫監督が映画化する『ビリーバーズ』が、今夏に公開されることが決定した。併せて、ティザービジュアルがお披露目となった。
とある孤島で生活をする二人の男と1人の女。男の1人は「オペレーター」、女は「副議長」、もう1人の男は「議長」と互いに呼び合い、揃いのTシャツを着ている。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属する3人は、「孤島のプログラム」と呼ばれる無人島での共同生活を送り「安住の地」へと旅立つ日に思いを馳せていた。朝の瞑想、昨晩見た夢の報告、テレパシーの実験、といったメールで送られてくる不可解な指令を実行し、時折届けられる僅かな食料でギリギリの生活を送る。それらすべてが、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出していく。
常に先鋭的な作品を世に問い続けカリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹が「カルト」の世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した原作「ビリーバーズ」。過激な内容ゆえ実現不可能とも言われた本作の映像化に挑んだのは、今までに100作以上の映像作品を手掛けてきた職人監督であり、熱烈なファンを持つ映像作家とも評される鬼才・城定秀夫。2020年『アルプススタンドのはしの方』で高い評価を獲得、2021年には瀬戸康史主演『愛なのに』、田中圭主演『女子高生に殺されたい』ほか多数の公開作を控える彼自身が、本作の映画化を熱望し、長年ファンである山本直樹の世界観へ最大限のリスペクトを込めながらも、絡みつくような官能美に、乾いたユーモアとヴァイオレンスを交え、唯一無二の映像世界を作り上げた。
ティザービジュアルには、男女3人が着用する揃いのニコニコTシャツがメインに写し出され、その不穏な世界観がうかがえる。顔の見えない彼らを演じるのは果たして誰なのか?
■山本直樹(原作者) コメント
僕の原作を城定監督がどう料理してくださったのか、楽しみです。20年以上前に描いたマンガですが、カルトの問題も21世紀にはネット上の陰謀論などに形を変えて、今も古びてない話だと思います。早く観たいです。
■城定秀夫(監督) コメント
山本直樹漫画は自分のエロス表現の根源であり、「ビリーバーズ」の映画化は長年の夢でありました。普段は受け仕事一辺倒の自分が自ら企画を提案し、一気に脚本を書きあげたのが4年前。あらゆる艱難辛苦を乗り越え、奇跡的なキャストを得て、この度ようやく実現させることができました。渾身の一作です!
『ビリーバーズ』
2022年夏 テアトル新宿ほか全国順次公開
監督・脚本:城定秀夫
原作:山本直樹「ビリーバーズ」
配給:クロックワークス SPOTTED PRODUCTIONS
【ストーリー】 とある孤島で生活をする二人の男と1人の女。男の1人は「オペレーター」、女は「副議長」、もう1人の男は「議長」と互いに呼び合い、揃いのTシャツを着ている。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、「孤島のプログラム」と呼ばれる無人島での共同生活を送り「安住の地」へと旅立つ日に思いを馳せていた。朝の瞑想、昨晩見た夢の報告、テレパシーの実験、といったメールで送られてくる不可解な指令を実行し、時折届けられる僅かな食料でギリギリの生活を送る。それらすべてが、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出していく。
©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会