2021年第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞したレオス・カラックス監督の8年ぶりとなる最新作で、アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールがダブル主演を務める『ANNETTE(原題)』が、邦題『アネット』として2022年春に公開されることが決定した。
35年間で発表した⻑編作品は6本と寡作ながら、その卓越した演出力と圧倒的な美的センスによって、常に衝撃を与えつづけてきた映画監督レオス・カラックス。1984年、弱冠24歳でカンヌ映画祭に登場した『ボーイ・ミーツ・ガール』、“アンファン・テリブル”(恐るべき子ども)と、カラックスの名を世界中に知らしめた『汚れた血』、二度の撮影中断に見舞われながらもロングラン大ヒットを記録した『ポンヌフの恋人』、ハーマン・メルヴィルの小説を原作に映画化を挑んだ『ポーラX』、そして謎に満ちた迷宮的な内容が高く評価された『ホーリー・モーターズ』。その一作一作で、既存のジャンルを軽々と超える新たな映画体験を生み出し、世界中に熱狂的なファンを獲得してきた。
レオス・カラックス監督の『ホーリー・モーターズ』以来8年ぶりとなる本作は、自身が初めて全編英語でミュージカルに挑んだロック・オペラ・ミュージカル映画。人気スタンダップコメディアンのヘンリーと、一流オペラ歌手のアン、そして二人のあいだに生まれたアネットによって、ダークなおとぎ話が繰り広げられる。
原案は日本でも根強い人気を誇るロン&ラッセル・メイル兄弟によるポップ・バンド、スパークス。彼らがストーリー仕立てのスタジオアルバム「アネット」として構築していた物語が、スパークスとカラックスの出会いによって映画へと発展、劇中全編を歌で語り、全ての歌をライブ録音するという両者のこだわりと、そこにカラックスならではの映像美が相まって、唯一無二の作品が完成した。また、カラックスが「父親になってからの映画」とその特別な想いを語る本作には、カラックス自身の人生が色濃く反映されていることも見所の一つだ。
主演を務めるのは、アダム・ドライバーとマリオン・コティヤール。アダム・ドライバーは、本作で初めて役者以外に、⻑編映画のプロデューサーも務める。彼はその理由について「レオスの映画だから。スパークスが作曲したミュージカルだから」「リハーサルや大規模なセットを必要とするような大がかりなシーン、それに多くの未確定要素があったから。全部がチャレンジに思えたけど、唯一無二のものになるだろうと思ったんだ」とその並々ならぬ意気込みを語る。
『アネット』
2022年春 ユーロスペースほか全国公開
監督:レオス・カラックス
原案・音楽:スパークス
歌詞:ロン・メイル ラッセル・メイル レオス・カラックス
出演:アダム・ドライバー マリオン・コティヤール
配給:ユーロスペース
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