世界中に熱狂的ファンを持つ作家・村上春樹が2013年に発表した短編小説を、『ハッピーアワー』、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が、西島秀俊主演、三浦透子共演で映画化し、第 74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画史上初となる脚本賞ほか全4冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』が、8月20日に公開初日を迎えた。このほど、同日にTOHOシネマズ 日比谷にて行われた初日舞台挨拶に、西島秀俊、岡田将生、濱口竜介監督が登壇した。
本作の初日を迎えて、主演の西島は「本当に嬉しいです。コロナで一旦撮影がストップしたり、撮影中は一日丸々集中し続けていた作品」とこれまでの苦労を振り返りつつ、「本当に初日を迎えられて感無量」と笑顔で語った。
本作で西島と初共演となった岡田。その印象を聞かれると「西島さんは演出家役じゃないですか? 撮影でカットがかかった後、監督がどういう顔をしているのかチラッと見てたんですけど、その次に必ず西島さんの顔をチラッと見て。どこか演出家として見ている部分があって、僕の芝居は大丈夫だったのかを、お二人に確認していた(笑)」ことを告白。続けて「現場では役としていてくださっている西島さんがすごく刺激的で、なるべく僕も役としていようという気持ちでいた」と語った。
そんな岡田に対して西島は「本当に純粋な人で、大丈夫なのかなと。いろいろな大人がいる世界で、こんな純粋な人が大丈夫なのだろうか」と心配する様子だったが、これに岡田は「僕、32です(笑)」と笑顔でツッコミ。西島も笑いながら頷きつつも、「心配になるんだよね(笑)。もちろん、経験を積んで、大人でタフな男性ですけど、繊細でもろい部分を感じる。それを持ちながら、外側は強くなっていって、両方を持っていてもらえると、1ファンとしてはすごく幸せ」と岡田に対する思いを語っていた。
『ドライブ・マイ・カー』
8月20日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:濱口竜介
プロデューサー:山本晃久
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」
出演:西島秀俊 三浦透子 霧島れいか パク・ユリム ジン・デヨン ソニア・ユアン ペリー・ディゾン アン・フィテ 安部聡子 岡田将生
配給:ビターズ・エンド
【ストーリー】 舞台俳優であり、演出家の家福悠介(西島秀俊)。彼は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう…。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさき(三浦透子)だった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。
©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会