西島秀俊「もし少しでも早く帰っていたら…」死んだ妻の秘密を辿る果てに見つけたものとは?『ドライブ・マイ・カー』90秒予告編

世界中に熱狂的ファンを持つ作家・村上春樹が2013年に発表した短編小説を、『ハッピーアワー』、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が、西島秀俊主演、三浦透子共演で映画化する『ドライブ・マイ・カー』が、8月20日より公開される。このほど、本作の90秒予告編がお披露目となった。

本作は、妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優の家福(かふく)と、寡黙な専属ドライバーみさきの孤独な二人が、愛車サーブを通して出会い、一筋の希望にたどり着くまでを描く、心揺さぶる物語。

90秒予告編は、愛車であるサーブを走らせる演出家であり俳優の家福(西島秀俊)とその助手席に乗る脚本家の妻・音(霧島れいか)の一見穏やかなシーンから始まる。そして「今晩帰ったら少し話せる?」と音が胸に秘めた想いを打ち明けようとする様子の一方で、「奥様にはいつもお世話になっています」と音と親密そうな気配を漂わせる俳優の高槻(岡田将生)を家福が笑顔で迎え入れるシーンが続く。しかし、幸せそうな日々から一転、音は突然この世を去ってしまう。その後、広島の演劇祭で演出を手掛けることになった家福。「すごくいいドライバーです」と紹介される寡黙なドライバーみさき(三浦透子)との出会いや、演劇のオーディションで再会する高槻などが映し出されていく。「音が死んだ日、もしほんの少しでも早く帰っていたら…」みさきや高槻との時間を経て、妻の音から聴くことができなかった秘密や喪失と向き合うことになる家福。「ごまかさないでください」と言い放つ高槻、「嘘を言っているようには聞こえませんでした。それが真実かどうかは分からないけど」と家福の愛車の中で語るみさきなど、印象的な言葉が続き、その後展開される重厚な人間ドラマが見え隠れする。後半には、「舞台上での銃声」「カセットテープ」「ミラー越しのみさき」などの印象的なショットが連なり、家福が辿る葛藤と波乱の運命を予期させる。

『ドライブ・マイ・カー』
8月20日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:濱口竜介
プロデューサー:山本晃久
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」
出演:西島秀俊 三浦透子 霧島れいか パク・ユリム ジン・デヨン ソニア・ユアン ペリー・ディゾン アン・フィテ 安部聡子 岡田将生
配給:ビターズ・エンド

【ストーリー】 舞台俳優であり、演出家の家福悠介(西島秀俊)。彼は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう…。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさき(三浦透子)だった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。

©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会