小坂流加による“涙より切ない”ベストセラー恋愛小説を、藤井道人監督が映画化する『余命10年』が、2022年に公開されることが決定した。
▲藤井道人監督
原作は、2017年の発売以来、ただの恋愛小説にとどまらない、切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり続け、現在すでに50万部を突破している、小坂流加による「余命10年」。本作は第6回静岡書店大賞の「映像化したい文庫部門」で大賞を受賞するなど、書店員からも映像化を希望する声が多く上がっていた。なお、文庫化と同時に、著者が本作の主人公同様に難病を抱えていたこと、そして病状が悪化し本作の文庫版発行直前の2017年2月にすでに逝去していたことが明らかになり、ファンや書店員から悲しみの声が大きくあがった。
監督を務めるのは、『新聞記者』を手掛け、第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む6部門を受賞した藤井道人。主演の松坂桃李と共演のシム・ウンギョンがともに日本アカデミー賞最優秀主演男優・女優賞を受賞するほか、藤井自身も優秀監督賞を受賞し、その人気と地位を不動のものとした。今年1月には主演・綾野剛、共演・舘ひろしを迎えた『ヤクザと家族 The Family』も大ヒット。大きなスクリーンで観たくなる美しく透明感のある映像で、映画、ドラマ、MV、広告など幅広い映像作品を手掛け、名実ともに今最も注目されるトップクリエイターである。藤井監督は役者に深く寄り添う演出をすることでも定評があり、本作ではどの俳優がキャスティングされるのか、主人公の茉莉や和人を誰が演じるのか、藤井監督がいかに演出をするのか、期待が高まる。
脚本は、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』や『雪の華』など等身大の若者のラブストーリーを描き、多くの大ヒット感動作を世に放ってきた岡田惠和と渡邉真子が担当。新たな映画界の才能・藤井監督と、感動ラブストーリーの名手といえる岡田、渡邉の初タッグにも注目だ。
併せて、映画『余命10年』の公開に先立ち、コミック版「余命10年」が今夏に配信されることが決定した。原作の「余命10年」をベースにLINEマンガでの連載をスタートさせる。発売以来、本屋だけでなくTwitterやTikTokなどSNSでも大きな反響を呼び、マンガ化、そしてアカデミー賞監督の藤井道人による映画化と多くの人々の心を揺さぶり続ける「余命10年」。恋愛ドラマだけではない、その特別な魅力は、この2022年にさらに大きく羽ばたく。
文芸社文庫 NEO刊
■藤井道人(監督) コメント
初めて「余命10年」を読んだとき、原作の小坂流加さんが生前に抱いていた「生きる」ということへの想いで溢れた小説だと思いました。普段見落としがちな四季折々の自然の変化や、主人公・茉莉と和人が過ごした日々は、まるで小坂さんが生きている時に思い描いていた「夢」だったようにも感じました。僕は、この作品を直感的に映画として残したいと強く思いました。当たり前が当たり前ではなくなったこの世の中で、小坂さんが残してくれた「余命10年」という作品が、皆さまの明日を生きる糧となるように、信頼するキャスト・スタッフと約1年に渡り四季を撮り続け、この映画に向き合って来ました。公開を楽しみに待っていていただけると幸いです。
■関口大輔(プロデューサー) コメント
小坂流加さんが「余命10年」に込められた想いをきちんと映像化して世の中に届けたいと思い、映画化を決心しました。ただしこの原作を映像化するには多くの高い才能を集め、緻密な脚本を練り上げ、他の映画にはない「余命10年」ならではの映像を作らないといけない、というプレッシャーも感じました。そのうえで、この原作をしっかりと受け止め、演出できる監督として他の邦画にはないセンスと高い演出力を持つ藤井道人さんにお願いしました。
『余命10年』
2022年 全国公開
監督:藤井道人
原作:小坂流加「余命10年」
脚本:岡田惠和 渡邉真子
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 数万人に一人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく…。
©2022 映画「余命10年」製作委員会