離婚秒読みの両親の復縁を願う小学5年生の少女の切なる思いを櫻井佑音主演で、ミュージカル仕立てで描き出し、第16回大阪アジアン映画祭で高評価を得た、いまおかしんじ監督最新作『にじいろトリップ~少女は虹を渡る~』が、9月25日より公開されることが決定した。併せて、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。
本作は、雨のキャンプ場を舞台に、両親の復縁を願う少女の気持ちを歌にして届ける、ミュージカル仕立ての切なくも愛おしい39分の短編映画。2020年度「映画芸術」日本映画ベスト1に選出された『れいこいるか』のいまおかしんじ監督が、新たなる傑作を生み出した。
主人公・晴花を演じるのは、本作が初主演作となる櫻井佑音。テレビ東京系「THE カラオケ★バトル」に出演する実力を持ち、3月には待望のファーストミニアルバム「My Precious」がリリースされたその歌声を、ミュージカル仕立ての本作で惜しみなく披露。気持ちを歌にして届ける少女を好演し、先に公開された大阪アジアン映画祭では絶賛が相次いだ。そして母親役には、平田オリザ主宰の劇団「青年団」に所属し、舞台から映画まで幅広く活躍する『22年目の告白 私が殺人犯です』、『娼年』の荻野友里、父親役には、園子温監督作『恋の罪』で映画デビューを果たし、高橋ヨシキ監督作『激怒 RAGEAHOLIC』の公開を控える小林竜樹が扮する。そのほか、関西弁が印象に残る子役の歳内王太、いまおか作品に欠かせない『れいこいるか』の西山真来、佐藤宏、『まんが島』『すずしい木陰』の監督としても活躍する守屋文雄が脇を固める。
撮影時11歳の櫻井佑音が主演に決まると、監督は、子供から少女になりつつある時期は、この瞬間しかないと考え「今、撮らなきゃ、もう機会はない」と2020年4月、新型コロナウイルスの感染に細心の注意を払いながら撮影を開始。櫻井佑音の歌声を生かして突然ミュージカル仕立てになる展開について、「ぼそぼそとセリフを話すよりも、生き生きとしていて、あの瞬間を切り取ることができたのではと、ミュージカル仕立ての設定にしたことに満足している」と監督は振り返る。
『にじいろトリップ~少女は虹を渡る~』
9月25日(土)より、新宿K’sシネマにて公開、以後全国順次公開
監督:いまおかしんじ
脚本:宍戸英紀
音楽:宇波拓
エンディング曲:櫻井佑音「それはいつも今日」
出演:櫻井佑音 荻野友里 小林竜樹 歳内王太 西山真来 小川朝子 守屋文雄 佐藤宏 サニー(犬) 櫻井拓也(写真)
配給:ブロードウェイ
【ストーリー】 小学5年生の晴花は、両親の信孝(小林竜樹)と久美子(荻野友里)とキャンプ場にやってくる。離婚間近の二人は、険悪な雰囲気になる。翌朝、晴花は一人、森に出かけていく。願い事を叶えてくれるという滝を目指す。途中、同い年の男の子・大地と出会い、大地の道案内で、仲違いしながらも滝にたどり着く。晴花は願う。家族3人やり直せますように。森の中、急な腹痛に襲われる晴花は、倒れているところを発見される。助けられた晴花の目の前でまた両親の言い争いが始まる。晴花は、その場を逃げ出す。追いかけてきた久美子と二人、話をする。「ごめんね、ちゃんとしたお母さんになれなくて」。晴花は久美子を抱きしめる…。
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