「私たちは鯨を獲る、そして鯨に感謝してる」ラマレラ村の人々による鯨漁の空撮映像が圧巻!『くじらびと』予告編&場面写真

写真家・映画監督の石川梵が、鯨のモリ打ち漁に挑むインドネシア・ラマレラ村の人々を30年間追い続けたドキュメンタリー『くじらびと』が、9月3日より公開される。このほど、本作の予告編と場面写真がお披露目となった。

インドネシア・ラマレラ村。人口1500人、太陽の土地を意味するこの村では、巨大鯨に挑むラマファ(モリ打ち)は誇りであり尊敬を集める存在だ。手造りの舟とモリ1本で、マッコウクジラに挑んでいく。鯨も負けじと舟に体当たりする。そんな生と死が拮抗する漁で得た獲物が、村人の命を支え、彼らは互いの和をもっとも大切にしながら生活している。本作は、自然とともに生き、命に感謝し、祈りを捧げ、実に400年もの間変わらぬ伝統の捕鯨を続けながら暮らす“くじらびと”の姿を追い、人間のみならず地球上にともに生きるものたちの眩しいほどに輝く生命力に満ちたドキュメンタリー映画。

予告編は、「東からの風に乗って 村に 鯨の季節がやってくる」というベテランラマファの声から始まる。村には最新鋭の機材などはない。手作り・手漕ぎの小さな舟に乗り込み、銛一本と経験を武器に、巨大なマッコウクジラに向かっていく。鯨が年10頭獲れれば村人みんなが生きていける。鯨は村人の胃を満たすだけでなく、油は灯りとなり、物々交換の市場では肉は貨幣となる。そして獲れた命を余すところなく村人全員でいただいた後は、言い伝え通り敬意を持って骨を海に返すのだ。男たちは鯨を追って漁に出る。それは死と隣り合わせの命がけの戦いである。村の子供達に聞く。「将来何になりたい?」「ラマファさ。もちろん」こうして人間の営みは続く。本映像では、カメラが乗った舟に鯨が体当たりする水飛沫、轟音による臨場感、水中の鯨とそこへ飛び込むラマファらとの対比を捉えた空撮映像が圧巻だ。

場面写真には、ダイナミックな鯨漁の様子や、ラマレラの人々の暮らしが収められる。

『くじらびと』
9月3日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
監督・プロデューサー・撮影:石川梵
エクゼクティブ・プロデューサー::広井王子
配給:アンプラグド

【作品概要】 インドネシア・ラマレラ村。人口1500人の小さな村。住民は互いの和を最も大切なものとし、自然の恵に感謝の祈りをささげ、言い伝えを守りながら生活をしている。中でもラマファと呼ばれるくじらのモリ打ち漁師たちは最も尊敬される存在だ。年間10頭獲れれば村人全員が暮らしていける。ともすれば死と隣り合わせのクジラ漁で、それでも彼らはモリ1本で巨大なマッコウクジラに挑む。子供たちは彼らの姿を見て、自分もラマファになりたいと夢を見る。そうして400年、ラマレラの人々はここで暮らしてきた。2018年、ラマファのひとり、ベンジャミンが漁の最中に命を落とした。家族も村民も深い悲しみに暮れる中、父で舟作りの名人・イグナシウスはバラバラになりそうな家族の結束の象徴として、伝統の鯨舟を作り直すことを決心。1年後、彼らの新しい舟はまだ見ぬクジラを目指し大海に漕ぎ出す…。

©Bon Ishikawa