2019年に日本公開され、その輪郭線のない美術的な画風と、リアルなストーリー展開で話題を集めた、フランスとデンマークの共同制作アニメーション『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督最新作『CALAMITY カラミティ』が、9月23日より公開されることが決定した。併せて、予告編がお披露目となり、各界著名人より本作を絶賛するコメントも寄せられた。
伝説の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの誕生秘話でもある本作は、マーサを“ジェンダーレス”な生き方を選択した最初の女性として描く。主人公マーサが様々な困難に立ち向かう中で周りの大人たちに影響を与え、大人たちも、いつしか少女とともに成長していく。女性は女性らしくという西部開拓時代のアメリカにあって、主人公マーサは家族を支えるために髪を切り、ジーンズをはくことを決意。そして生きていくために必要な乗馬、馬車の運転、投げ縄といった“男の作法”を苦労して習得する。
レミ・シャイエ監督は、インタビューで「本作の制作過程においても男女平等を意識していた」と語り、制作スタジオのアニメーターの人数、管理職の男女比、そして給料の総額までをコントロールしていたという。アニメーション制作は長期的なプロジェクトのため、女性アニメーターが制作期間中に産休を取得し、そして復職できる環境も整備されていた。こうした制作環境が、本作全編を通じて表現される“優しさ”を生んでいるのかもしれない。
困難に立ち向かいながら自立していく主人公マーサ・ジェーンの声を担当するのは、YouTuber・モデルとして活躍中の福山あさき。昨年公開のルーマニア・フランス産アニメ『マロナの幻想的な物語り』において演じた、“通行人”からの大抜擢となる。少女から芯の強い大人の女性への変貌を、新人ならでは思い切った演技で演じる。そしてマーサの妹レナ役に「アイカツフレンズ!」の松永あかね、幼い弟エリージャに「あそびあそばせ」の木野日菜、マーサの親友イヴに木戸衣吹、マーサのライバルのイーサンに畠山航輔、その父親でマーサを追い込む旅団長アブラハムに杉田智和、イヴの父親に上田燿司が扮し、浅水健太朗、成澤卓、前内孝文といった『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』でおなじみの声優陣も集結する。物語後半の大事なバディ役には林瑞貴。『マロナの幻想的な物語り』の端役で起用された際に、そのコミカルな表現力をかわれ抜擢された。福山あさき、林瑞貴両名の“端役から大抜擢された”新人による珍道中の掛け合いシーンにも注目だ。
▼著名人 絶賛コメント
■藤井フミヤ(歌手)
なんて美しいアニメーション!カラフルな風景は現代アートのようだ。男勝りのマーサは今の時代にリンクするキャラクター。気の強い少女って厄介、でもカッコいい!
■井上俊之(アニメーター)
敬愛するレミ・シャイエ監督の新作。少女ジェーンの冒険が雄大なアメリカの自然をバックに前作『ロング・ウェイ・ノース』同様の手法ながら全く違った色合いで描かれます。必見です!
■伊藤智彦(アニメーション監督・演出家:『HELLO WORLD』)
このアートな画面に騙されてはいけない。エンタメとしてはむしろかつてのスタジオジブリのマインドに近い映画なのです。新たなヒロイン、いやヒーローの誕生を見届けよ!
■見里朝希(監督・ストップモーションアニメーター:『モルカ―』)
色彩がとにかく美しい!理不尽に立ち向かい、信念を曲げずに生きていくことの大切さを思い出させてくれます。清々しい気持ちになる成長物語です。
■鳥居みゆき(芸人・絵本「やねの上の乳歯ちゃん」作)
信念を曲げずに生きる主人公。旅をする事で「カラミティ」を受け入れるまでに成長する。私も胸を張って「カラミティみゆきよ」と言える人生の旅を続けていきたい。
■芋洗坂係長(俳優・コメディアン・絵本「みならい天使のさんたろう」作)
まるで美術館で絵画を観ている様な感覚で楽しめる作品。主人公のマーサが冒険を経て、疫病神から救世主へと変貌して戻った時の表情はとても素敵でした。
■川村エミコ(芸人)
淡く綺麗な色彩の中で世界は続き、大事なのは「女らしさ」や「男らしさ」ではなく「自分らしさ」。それを貫く強さをカラミティに教えてもらいました。
■井上咲楽(タレント)
女性=◯◯、男性=◯◯という概念が世の中には多すぎる。きっとマーサのように「女性だから」という概念をふっとばし勇気を持って開拓していった女性がどの世界にも沢山いるのだと思います。当たり前すぎて気づかないほどの固定概念に囚われることのないように生きていきたいです。
■吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
地上でいかにつらいことが起きようとも、この美しい天と地の間にあれば、すべては些事である。この風景は、アニメでなければ描けない。
『CALAMITY カラミティ』
9月23日(木)より、新宿バルト9ほか全国順次公開
監督:レミ・シャイエ
声の出演:福山あさき 松永あかね 木戸衣吹 畠山航輔 杉田智和 上田燿司
配給:リスキット
【ストーリー】 マーサは家族とともに大規模な幌馬車隊で西に向けて旅を続けていた。旅の途中、父親が暴れ馬で負傷し、マーサが家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまう。普通の少女であったマーサは、乗馬も、馬車の運転も経験がない。そんなマーサは、少女であるがゆえの制約に苛立ち、家族を守り、世話するために少年の服を着て、少年のように振る舞うことを決心する。女性は女性らしくという時代にあって、マーサの生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生む。さらには、野獣に襲われているところを助けてくれたサムソン少尉を旅団に引き合わせたことで、マーサは大きなトラブルに巻き込まれてしまう。
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