「ダウントン・アビー」でおなじみのダン・スティーヴンスとスタッフ、そしてオスカー女優ジュディ・デンチが、ノエル・カワードによる1941年初演の名作戯曲「陽気な幽霊」を現代にフィットする物語として蘇らせる映画『BLITHE SPIRIT(原題)』が、邦題『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』として9月10日より公開されることが決定した。併せて、場面写真がお披露目となった。
ベストセラー小説家である最愛の夫との再会を喜ぶ妻エルヴィラ。ところが、夫にはいつの間にか新しい妻がいた…!?実は彼女は7年前に事故死した最初の妻で、霊媒師によってこの世に戻ってきたのだが…。あの世から帰ってきた妻が夫とやり直したいと願うおかしさと切なさが織り交じった本作の原案は、ノエル・カワードによる1941年初演の戯曲「陽気な幽霊」。1920~40年代に活躍し、俳優・作家・戯曲家・脚本家・演出家・作曲家・歌手・映画監督といくつもの顔を持つ天才エンターテイナーで、ポール・マッカートニーやブライアン・フェリーが彼のトリビュート・アルバムに参加するなどリスペクトしていたことでも知られている。同作は、1945年にデビッド・リーン監督により映画化され、1951年には日本でも公開された。
時代を超えて約2000回にわたって上演され続けてきたそんな名作中の名作を現代にフィットする物語として蘇らせたのは、6年連続でエミー賞を合計15部門受賞した英国の大ヒットTVシリーズ「ダウントン・アビー」の監督のひとりであるエドワード・ホール。同ドラマのマシュー・クローリー役で大ブレイクを果たしたダン・スティーヴンスと再びタッグを組んだことは大きな注目ポイントだ。スティーヴンスは、スランプから脱出するために霊媒師の力を借りて亡き妻をあの世から召喚させるベストセラー作家チャールズをコミカルに演じる。そのほか、あの世から戻ってきた妻エルヴィラ役に『ブリングリング』のレスリー・マン、チャールズの現在の妻ルース役に『お買いもの中毒な私!』のアイラ・フィッシャー、そして不思議な力を持つ霊媒師マダム・アルカティ役に今や世界の映画界の至宝、『007』シリーズのM役が忘れ難いオスカー俳優ジュディ・デンチが扮する。
1937年が舞台となる本作では、この時代に建てられた英国のアール・デコ様式の豪邸を使用し、レトロでエレガントなファッションとインテリアなど細部までこだわり抜いているところも魅力のひとつ。場面写真には、緑豊かな庭園で脚本執筆のためにチャールズ(ダン・スティーヴンス)とエルヴィラ(レスリー・マン)が共同作業する姿や、かつての妻と現在の妻そして夫という奇妙な関係がうかがえるカット、そしてマダム・アルカティ(ジュディ・デンチ)を交えて行われる摩訶不思議な儀式の様子などが収められるが、バラエティに富んだ背景や鮮やかな色彩などからもそのこだわりが感じられる。
『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』
9月10日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督:エドワード・ホール
原案:ノエル・カワード
出演:ダン・スティーヴンス レスリー・マン アイラ・フィッシャー ジュディ・デンチ
配給:ショウゲート
【ストーリー】 ベストセラー作家として名を馳せるチャールズ(ダン・スティーヴンス)は、スランプから抜け出すために、霊媒師マダム・アルカティ(ジュディ・デンチ)に頼んで、事故死した最初の妻エルヴィラ(レスリー・マン)を呼び戻す。実は彼の小説は全て、生前エルヴィラが生み出したアイディアを書き留めただけのものだった。チャールズは、ハリウッド進出のチャンスをかけた初脚本も、彼女の力なしではムリだと思い知ったので、蘇らせたのだ。夫との再会を喜んだのも束の間、エルヴィラは自分が幽霊で、チャールズには新しい妻ルース(アイラ・フィッシャー)がいると知ってショックを受ける。それでもチャールズに頼まれるままに“共同”制作するうちに、楽しかった日々がよみがえる。やがてエルヴィラは、このまま脚本が完成しなければいいと願うのだが、この世にいられる期限は刻一刻と迫っていた…。
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