芳根京子「“かも”なんてやめてください! 決めてください!」、岡田将生「久々にお会いして、急にキスシーンだったもんね…」

21世紀を代表するSF作家ケン・リュウの傑作短編小説を、『愚行録』『蜜蜂と遠雷』で国内外より注目される石川慶監督が、芳根京子主演で映画化する『Arc アーク』が、6月25日より公開される。このほど、6月2日にグランドハイアット東京にて完成報告会が行われ、キャストの芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、風吹ジュン、小林薫、石川慶監督が登壇した。

長い人生を同じビジュアルで演じるという難役をこなした芳根は、「一人では作れなかった役」とし、「頭で考えても想像がつかなくて、現場で見たこと、触れたこと、感じたことを形にしていく作戦で(笑)。石川監督と二人三脚で、足をガッツリ結ばれて、一緒に同じ歩幅で進んでいくように」役を作っていったという。

岡田は「クランクインのシーンが(芳根との)キスシーンだったんですね。すごく久々にお会いして、急にキスシーンだったもんね…」と芳根に語りかけつつ、「お互いの信頼関係はあったので不安はなかったですけど、役柄としては初めてだったので…」と当時の戸惑いを告白した。

撮影前に「天音役が岡田さんになるかもしれません」という話を聞いたという芳根は「“かも”なんてやめてください! 決めてください!」と懇願したそうで、その理由について「天音役はとても大切な役だったので、一度ご一緒したことがある岡田さんと聞いたときに、心の底からすごくホッとして。すごく緊張してクランクインしましたが、岡田さんとご一緒のシーンは心がポカポカするような気持ちでうれしかったです」と撮影を振り返った。MCから「癒やしだった?」と問われると、芳根は笑顔で「癒やしの、まーさんです」と返し、会場を笑いに包んでいた。

最後に芳根は、「新たなジャンルの映画が誕生したと思った。映画の単独主演が7年ぶりということで、すごく気合が入っています。大切な作品です。本当に気合が入っています。この思いがたくさんの方に届いたら良いなと思っています」と力強く述べ、イベントを締めくくった。

『Arc アーク』
6月25日(金) 全国公開
監督・脚本・編集:石川慶
原作:ケン・リュウ「円弧(読み:アーク)」
脚本:澤井香織
音楽:世武裕子
出演:芳根京子 寺島しのぶ 岡田将生 清水くるみ 井之脇海 中川翼 中村ゆり 倍賞千恵子 風吹ジュン 小林薫
配給:ワーナー・ブラザース映画

【ストーリー】 17歳で生まれたばかりの息子と別れ、放浪生活を送っていたリナ(芳根京子)は、19歳で師となるエマ(寺島しのぶ)と出会う。彼女は大手化粧品会社エターニティ社で、“ボディワークス”という仕事に就く。それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)するもので、悲しみを乗り越えたい人々からの依頼は絶えることがなかった。一方、エマの弟で天才科学者の天音(岡田将生)は、その技術を発展させ、姉と対立しながら「不老不死」の研究を進めていた。30歳になったリナは天音と共に、「不老不死」の処置を受ける人類史上初の女性となり永遠の命を得た。やがて、不老不死が当たり前となった世界は、人類を二分化していくこととなり、同時に混乱と変化を生み出していった。果たして不老不死が生み出した未来の先にリナが見たものとは…?

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