没後50年、そして香水「No.5」誕生100年を記念したココ・シャネルの最新ドキュメンタリーで、モードの帝国を築き上げた後、ナチスドイツの占領が解けたパリを1944年に脱出し、10年あまりもの間沈黙を続けたシャネルの実像に迫る『ココ・シャネル 時代と闘った女』が、7月23日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。
第一次世界大戦後、「皆殺しの天使」とまで称されるほど19世紀的な価値観を葬り去り女性を因習から解放して、女性として史上初の世界的実業家となったココ・シャネル。ピカソ、ストラヴィンスキー、ディアギレフ、コクトーなどの芸術家、チャーチルやウィンザー公などの政治家や王侯貴族との交流、めくるめく幾多の恋を通じて得たインスピレーションと人脈を駆使し、モードの帝国を第二次世界大戦前までに築き上げていった。ところが、ナチスドイツによるパリの占領が解けた1944年、彼女は突如としてパリを脱出しスイスへ向かう。以後、齢70歳にして劇的な復活を遂げる1957年まで、10年あまりもの長きにわたり沈黙したのだ。なぜ?本作は、毀誉褒貶の激しい、多面的で孤独な、しかしなんとも魅力的なシャネルの生涯と実像に迫る。
予告編では、ココ・シャネルの人生が、当時のフランス文化が垣間見える貴重な映像と共に、ランベール・ウィルソンの語りで紹介される。生み出した数々のモードを紹介するところから映像は始まり、フランスの芸術家ジャン・コクトーが、自身が耳にしたシャネルの噂を語る。チャーチル、エドワード8世、ウェストミンスター公と次々と恋人を変え、ピカソ、ストラヴィンスキー、ディアギレフ、コクトーなど芸術家を支え、彼女の周囲には時代を代表する一流の人々がいた事が説明される。そしてモード界の帝王は、ナチスからパリが解放された1944年、すべてを捨て突然スイスに向かう。近年明らかになった衝撃の事実と共に、ロミー・シュナイダー、ジャクリーン・ケネディなど著名人が愛したシャネル・スーツで衝撃の復活を遂げるまで、類まれなセンスで時代を読み、生き抜いていくココ・シャネル。本作は昨今の困難な時代を、強く生き抜くヒントを与えてくれる、そんな予感が本映像から感じられる。
『ココ・シャネル 時代と闘った女』
7月23日(金)より、Bunkamura ル・シネマほか全国公開
監督・脚本:ジャン・ロリターノ
ナレーション:ランベール・ウィルソン
配給:オンリー・ハーツ
©Slow Production, Arte France