2017年に『ひいくんのあるく町』で爽やかなデビューを飾った青柳拓監督が、自らの自転車配達員としての活動を全編スマートフォンとGoProで撮影したドキュメンタリー映画『東京自転車節』が、7月に公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
2020年東京。緊急事態宣言下の街で、右も左もわからず始めた自転車配達で見えてきたのは、コロナ禍であぶり出された現代日本の本当の問題だった…。監督自らが自転車配達員として駆け巡った街、出会った人たち。働くという事とは？あたらしい日常を生きるとは？本作は、自転車配達員のリアルな体験と視点から“お届け”するドキュメンタリー映画。
2020年緊急事態宣言下の東京を自転車で駆け巡った臨場感と親近感あふれる映像は、これまでのセルフドキュメンタリーの手法を踏襲しながらも、YouTubeやTikTokといったSNS動画に慣れ親しんだ感覚でまとめあげられた。またタイトルにもなっている秋山周による主題歌「東京自転車節」のペーソス漂うメロディも強い印象を残す。
ゆとり世代といわれる自分自身と何かが欠けた“焼け野原”の様な東京、そして現代を取り巻く得も言われぬどん詰まり感とそこを突破せんとする活力。ときに観客は映画と共に東京の街を駆け巡り、そこで監督と共に新しい日常とは何かを考え発見していくだろう。勢いだけではない現代への批評性も兼ね備えた意欲作が誕生した。
『東京自転車節』
7月 ポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督・撮影：青柳拓
音楽：秋山周
配給：ノンデライコ
©2021 水口屋フィルム、ノンデライコ
