大谷紀子による同名漫画を、尾上松也主演、ももいろクローバーZのリーダー・百田夏菜子共演で映画化する『すくってごらん』が、3月12日より公開される。このほど、3月2日にアートアクアリウム美術館1階 金魚の杜にて「プレ金魚の日スペシャルイベント」が行われ、キャストの尾上松也、百田夏菜子、石田ニコルが登壇した。
百田、石田に続いて姿を見せた松也は、映画の中でも歌唱する「この世界をうまく泳ぐなら」を熱唱しながら登場。松也の歌声について、百田は「撮影の時から、全力で歌ってくださっていたので、その思い出がよみがえってきました!貴重な素晴らしいものを見せていただきました」と絶賛。松也は「映画ではいつも二人と一緒に歌っていて、一人で歌うことはなかったので不安でしたが、気持ちよかったです」と照れながらも笑顔を見せた。
この日は和装姿の松也だが、「(映画で演じた)誠がいつもグレーのスーツを着続けていたので、そのイメージでそろえています」と説明。艶やかな浴衣姿の百田は「金魚をイメージして作っていただきました!ヒラヒラした感じや、帯も金魚のしっぽをイメージしています」とにっこり。石田は、演じた明日香が映画で紫の浴衣を着ていたということで「それに合わせて大人っぽく、大正ロマン感を出しています」と語った。
本作への出演を決めた理由について、松也は「脚本を読んだ率直な感想は、全くわけがわからなかった(苦笑)。いろんなエンターテインメント要素を取り入れていて、笑いもあり、ラップもありで、急に歌が入るところとか、予想がつかずイメージしづらかったんですが、僕は『なんでこの人たちは、こんなチャレンジングなことをしようとしてるんだろう?』と違和感と強烈な共感をもって、一緒に何とかこの映画を形にさせたいと思った」とコメント。そして百田は「ミステリアスな女性の役でお話をいただいて『それって私なのかな?』『大丈夫かな?』と不安がたくさんありましたが、想像できない世界に飛び込みたいと思った」、石田は「原作を全巻読んで、金魚すくいって、こんなに奥深さと美しさがあるのかという発見がありました。脚本を読んで、ちがう方向性からの新しい風を感じ、どうなるかドキドキワクワクして、自分がその一部になれるのが楽しみでした」と振り返った。
続いて互いの印象を尋ねられ、松也は「百田さんはすごく切り替えがハッキリしてて、合間はすごくフランクに話をするんですけど、撮影に入った瞬間にスイッチが切り替わって、そういう意味で現場を明るくしてくれるし、役としても世界に引き込んでくれました。石田さんは一緒にいて安心感しかありませんでした。何にも動じないし、かと思えば豪快に笑ったり。二人には癒されつつ、引っ張っていただきました」と百田と石田に感謝。百田は、石田について「本当にきれいで、気づかれないようにいかに(石田さんを)見るか。ずっと見てました。変態みたいですね(笑)。撮影でもひそかに遠くから『なんて脚が⻑いんだ!』『きれいだな』とずっと見てて、最近の番宣などでも『今日もきれいだな』とずっと見てます。大好きです!」と愛を告白。石田も百田について「もともとファンだったんです、実は。初めて見たときは『うわっ、お姫様がいる!なんてかわいいんだろう』って思いました。かわいさの宝箱です」とまさに相思相愛の様子だ。そして松也について、百田は「奈良での撮影で二人のシーンを連日撮っていて、すごく気さくな方だなと思いました」と語り、石田も「私はすごく人見知りなんですけど、(松也さんが)現場を盛り上げてくださって、撮影していて『明日が楽しみだな』と思える空気を作ってくださいました」とともに現場で頼りにしていたことを明かした。
タイトルにちなんで、撮影現場での「すくってあげたい(披露したい)」エピソードを尋ねられると、松也は「百田さんは何でもやってくれるんです。朝、『山田さん、おはよう』『百田ですよ!」という流れを延々と何度やっても切り返してくれるんです。石田さんは、とにかくゲームが好きで、あれが面白いとか、色々教えてもらいました。『一緒にやろう』と言いつつ、まだ一度もやれていないので、やりたいです」と語った。
トークからは、松也の対人コミュニケーション能力の高さがうかがえるが、松也自身は「全然です。もともと人見知りです」と否定。「でも、お仕事の現場はコミュニケーションをとったほうがみんながやりやすいので、ビジネスです(笑)」と語ると、百田は「ビジネスだったんですね…(笑)」とショックを受けていた。
そんな百田は、石田の影響でゲームにハマった松也について「かなり課金もされていて、自分ではやめられないと悩まれていたので、救ってあげたいと思った」と暴露。松也は映画の撮影を終えた後は無事にゲームの沼から抜け出したそうだが「あの期間だけ、急にハマっちゃって散在しました…」と苦笑交じりに振り返った。また石田は、現場での松也について「甘いものを食べてるイメージで、差し入れの大福やアイスクリームを食べている姿が子どものようでした」と明かし、松也は「好きなものを前にすると童心に返って『キャッ!』ってなるんです(笑)」と照れ臭そうに語った。
最後に、松也は「この映画は“新感覚ポップエンターテインメント”を目指して、歌あり、笑いあり、ラップあり、感動あり、いろんなエンターテインメント要素が詰まった唯一無二の作品になっています。美しい風景と金魚のコラボレーションも必見ですし、絶対に映画館で見るべき作品です。こんな時だからこそ、観ていただいて明るい気持ちになって帰っていただけると思います!」と力強く映画をアピールし、イベントは幕を閉じた。
『すくってごらん』
3月12日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:真壁幸紀
原作:大谷紀子「すくってごらん」
脚本:土城温美
出演:尾上松也 百田夏菜子 柿澤勇人 石田ニコル
配給:ギグリーボックス
【ストーリー】 大手メガバンクのエリート銀行マン・香芝誠(尾上松也)は、些細な出来事がきっかけで左遷され、荒んだ気持ちを抱えて東京本社から片田舎の町へやってきた。そこで偶然かつ運命的に、金魚すくいの店を営む美女・吉乃(百田夏菜子)と出会い、一目ぼれをする。持ち前のネガティブな性格と左遷のショックから、香芝は心を閉ざし仕事だけを生きがいにしようと心に決めながらも、吉乃の事が頭から離れない。何とかお近づきになろうとするが、秘密を抱える吉乃の心もまた閉ざされたままだった。果たして、香芝は金魚のように彼女の心もすくうことはできるのか…?
©︎2020 映画「すくってごらん」製作委員会 ©大谷紀子/講談社